3-M症候群
(Three-M Syndrome)

Gene Reviews著者: Melita Irving, MBBS, MD(Res) and Muriel Holder-Espinasse, MD, PhD
日本語訳者: 吉村祐実(翻訳ボランティア),櫻井晃洋(札幌医科大学医学部 遺伝医学)

GeneReviews最終更新日: 2019.2.7  日本語訳最終更新日: 2022.6.8

原文 3-M Syndrome


要約

疾患の特徴 

3-M症候群は出生前および出生後の重度の発育遅延(最終身長は平均より5-6SD低い120-130 cm)、特徴的顔貌を主徴とする。知能は正常である。また、短く太い頚、突出した大菱形骨、胸骨変形、胸郭の狭小化、いかり肩、翼状肩甲骨、脊柱前弯過度、第五指の短指症、突出した踵や関節弛緩などの特徴を呈する。罹患男性には性腺機能低下、時に尿道下裂も見られる。

診断・検査 

3-M症候群の診断は特徴的な臨床所見および画像所見によって確立される。臨床所見・画像所見によって不確定な場合、CCDC8CUL7、 またはOBSL1 における病的バリアントの検出によって確定診断が可能になる。

臨床的マネジメント 

対症療法:
外科的骨延長術は選択肢となる。低身長症者向けの補助器具は有効である。重度の関節弛緩の場合、早期の整形外科による評価と治療は関節炎への進行を予防するために必要である。3-M症候群の罹患男性は性腺機能に対する内分泌学的評価のため、思春期に診察を受けるべきである。 

サーベイランス:
成長速度を特に考慮し、標準成長曲線に基づく6~12ヶ月ごとの成長モニタリング。

遺伝カウンセリング 

3-M症候群は常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)形式をとる。罹患者の子は、25%の確率で3-M症候群に罹患し、50%の確率で無症状の保因者となり、25%の確率で病的バリアントを受け継がず、保因者にならない。リスクのある血縁者の保因者検査およびリスクのある妊娠に対する出生前診断は、家系内における病的バリアントが同定されていれば可能である。出生前の超音波検査で、すべての長骨における発育遅延が認められる。


診断

臨床診断

下記の所見を有する小児は3-M症候群が疑われる。

臨床的特徴

  • 出生前発症の低身長 典型的な身長は-5.0 SD (標準偏差スコア)
  • 顔貌的特徴 比較的大きい頭、長頭症、三角形の顔、顔面中央部低形成、濃い眉、厚い鼻尖組織、長い人中、突出した口唇、尖った頤など。顔貌の特徴には個人差が見られる
  • 筋骨格の特徴 短く太い頚、突出した大菱形骨結節、変形した胸骨、胸郭の狭小化、いかり肩、翼状肩甲骨、胸郭の脊柱後側弯、脊柱前弯過度、潜在性二分脊椎、第五指の斜指症、全身または孤発の関節過度可動性、突出した踵、扁平足
  • 男性の尿生殖器異常 性腺機能低下症および尿道下裂
  • 知能  通常は正常

画像所見

3-M症候群の診断は下記の非特異的X線所見(ほとんどが2歳以降に見られる)によって確定される。

  • 長骨 骨幹狭窄や広がった骨幹端を有する細い長骨。
  • 椎体 前後径や横径の減少(特に腰椎)によって細長い椎体が見られる。胸椎椎体前方狭窄、不規則な上下脊椎終板、胸椎後側彎症、潜在性二分脊椎。
  • 胸郭 細い水平状の肋骨を有する比較的幅広い胸郭。
  • 骨盤 骨盤の骨は小さい(特に恥骨と坐骨)。広がった腸骨翼と閉鎖孔狭窄、後者は位置によって見られることもある。
  • 骨年齢 軽度な発育遅延。中手指数は高い。
  • その他 長頭症、冠状縫合の扁平化、眼球近接、肘の異形成、短い尺骨、第二中手骨の偽性骨端、臀部脱臼や距骨突出も見られる。

確定診断

発端者で出生前発症の継続的な成長不全と、臨床診断に記載されている特徴的な臨床的所見および放射線医学的特徴を有すると3-M症候群と診断される。表1に記載されている遺伝子の1つに両アレルの病的バリアントが同定されれば、確定診断が可能となる。

分子遺伝学的検査は、表現型に応じて標的遺伝子検査(同時または連続の単一遺伝子検査、マルチ遺伝子パネル)と包括的なゲノム検査(エクソーム解析、ゲノム配列解析)の組み合わせを含める。

ゲノム検査では必要ではないが、標的遺伝子検査では、どの遺伝子が最も関連しているかを医師が決定する必要がある。3-M症候群の表現型が広く、臨床診断を示唆する所見に記載されている特徴的な所見を有する患者は、標的遺伝子検査を使用して診断される可能性が高く(オプション1を参照)、3-M症候群の診断が考慮されていない個人は、ゲノム検査を使用して診断される可能性が高くなる(オプション2を参照)。

オプション1

表現型および検査所見が3-M症候群の診断を示唆する場合、分子遺伝学的検査の手法には同時または連続の単一遺伝子検査またはマルチ遺伝子パネルの使用が含まれる。

  • 連続単一遺伝子検査 配列解析は微小な遺伝子内欠失/挿入、ミスセンスバリアント、ナンセンスバリアント、およびスプライス部位のバリアントを検出する。通常、エクソンおよび全遺伝子の欠失/重複は検出されない。最初にCUL7、次に OBSL1、さらに CCDC8の配列解析を実施する。病的バリアントが一つのみ検出、または全く検出されない場合はCCDC8、 CUL7、および/または OBSL1 の欠失/重複解析 を実施して遺伝子内欠失または重複を検出する。
  • マルチ遺伝子パネルCCDC8CUL7OBSL1 および他の関連遺伝子(「鑑別診断」参照)を含むマルチ遺伝子パネルが最も合理的な費用で疾患の遺伝的原因を特定する可能性が最も高いであろう。ただし、意義不明なバリアント(VUS)や原疾患の表現型についての説明に至らない病的バリアントが特定されることがある。

注:(1)パネルに含まれる遺伝子と、各遺伝子に使用される検査の診断感度は、検査機関によって異なり、時間の経過とともに変化する可能性がある。(2)一部の複数遺伝子パネルには、このGeneReviewで説明されている疾患とは関連しない遺伝子が含まれている場合がある。(3)一部の検査機関では、パネルオプションには、検査室で設計されたカスタムパネルおよび/または臨床医によって規定された遺伝子を含む表現型に重点をおいたカスタムエクソーム解析が含まれる場合がある。(4)パネルで使用される方法には、配列解析、欠失/重複解析、および/または他の配列解析ベース以外の検査が含まれる場合がある。

マルチ遺伝子パネルの導入に関してはこちらをクリック。遺伝学的検査を依頼する臨床医のためのさらに詳細な情報についてはこちらを参照のこと。

オプション2

患者の表現型が非典型的であるために、3-M症候群の診断が考慮されない場合、包括的なゲノム検査(臨床医がどの遺伝子が関与しているかを判断する必要がない)は、最良の選択肢になる。エクソーム解析が最もよく使用されるがゲノム配列解析も可能である。

表1. 3-M症候群に用いられる分子遺伝学的検査

遺伝子1,2 当該遺伝子の病的バリアントによる3-M症候群の割合 検出される病的バリアント3の割合
配列解析4 標的遺伝子 欠失/重複解析5
CCDC8 <5% 6 100%6 報告されていない6
CUL7 77.5%7 100%7 報告されていない7
OBSL1 16%7,8 100%7 報告されていない7,8
不明9 >1.5%
  1. 遺伝子はアルファベット順に記載
  2. 遺伝子座位またはタンパク質は表A「遺伝子とデータベース」を参照。
  3. この遺伝子において検出されたアレル変異の情報は「分子遺伝学」を参照。
  4. 配列解析ではBenign、Likely benign、Uncertain significance、Likely pathogenic、またはPathogenicバリアントが検出される。病的バリアントには微小な遺伝子内欠失/挿入、ミスセンス、ナンセンスバリアント、スプライスサイトバリアントを含む。通常、エクソンや全遺伝子欠失/重複は検出できない。配列解析結果の解釈について考慮すべき点については「こちら」を参照。
  5. 標的遺伝子の欠失/重複解析で遺伝子内欠失または遺伝子内重複が特定される。単エクソン欠失または重複を特定するにはデザインされた定量PCR法,ロングレンジPCR法,MLPA法、Gene- targeted microarrayが使用可能である。
  6. Hansonら[2011]
  7. Huberら[2009], Huber ら[2011]
  8. Hansonら[2009]
  9. CCDC8CUL7、およびOBSL1における病的バリアントが3-M症候群の100%を占めているのではない。(可能性として同じ経路の)他の遺伝子が関連していると考えられる。

 


臨床像

自然歴

成長不全

3-M症候群の最も明確な臨床像は重度の子宮内胎児発育遅延である。出生時身長は40-42㎝に対し、頭囲は妊娠週数に相応している。追いつき成長がなく、最終身長は平均より5~6SD以上低く(120-130cm)、均整の取れた低身長となる。
ほとんどの小児罹患者は成長ホルモン(GH)分泌不全と診断されるが、GHに対する不応性のためGH部分欠損と報告された症例が1例ある。数名の低身長罹患者に外因性GH治療が行われたが、有効性を認めなかった。高投与量のGH治療が有効と報告した症例(1件)もあるが、成長ホルモンの有効性に関する明確な検証はいまだにない。

顔貌の特徴.

3-M症候群の患児は比較的大きい頭、三角形の顔、顔面中央部低形成、濃い眉、厚い鼻尖組織、長い人中、 突出した口唇、尖った顎などの特徴的顔貌を有する。顔貌の特徴には個人差が見られ、経時的に変化する。尖った顎、長い人中、三角形の顔はより顕著になる。

筋骨格系特徴

幼児期に見られる筋骨格の特徴には、短い太い首、顕著な僧帽筋、変形した胸骨、短い胸骨、いかり肩、翼状肩甲骨、および脊柱前弯症がさまざまに含まれる。第五指の短指症、突出した踵と、関節弛緩が報告されている。診断の遅延とともに股関節の発達性異形成が報告されている。

X線所見 

  • 長骨 は細く骨幹狭窄や広がった骨幹端を有する。これらは3-M症候群の主なX線所見のようである。X線透過性の増加は稀である。長骨の測定に使用される中手骨長指数は通常大きい。
  • 椎体 前後径や横径の減少(特に腰椎)によって細長い椎体が見られる。年齢とともに、椎体の狭長はより明らかになる。脊柱側彎症や筋緊張低下の二次症状として現れる細長い脊椎は非特異的所見ではあるが、各年齢におけるL1脊椎指数は3-M症候群を記録するために有効なツールである。胸椎椎体前方狭窄、不規則な上下脊椎終板、胸椎後側彎症、潜在性二分脊椎も3-M症候群に見られる。
  • 胸郭 細い水平状の肋骨を有する幅広い胸郭。
  • 骨盤 骨盤の骨は小さい(特に恥骨と坐骨)。広がった腸骨翼と閉鎖孔狭窄、後者は位置によって見られることもある。
  • 骨年齢 軽度な発育遅延。
  • その他 長頭症、冠状縫合の扁平化、眼球近接、肘の異形成、短い尺骨、第二中手骨の偽性骨端、第五指の斜指症、臀部脱臼や距骨突出も見られる。

男性の泌尿生殖器の異常には、高FSH血症、低精巣容積、および精液分析結果の異常によって記述されるように、性腺機能障害および低妊孕率または不妊症が含まれる場合がある[van der Waletal2001]。尿道下裂は、3-M症候群の男性の一部に見られる。注:女性の性腺機能は正常である。

遺伝型‐表現型の相関

現時点で、遺伝型‐表現型の相関に関する報告がない。

命名

3-Mとの疾患名は最初に本疾患を報告した3名の研究者の名前のイニシャルに由来する。
3-M症候群は、Le Merrer syndrome、Yakut short stature syndromeとも呼ばれる。

Elliott et al [2002]が報告した長頭脊椎異形成症は、内眼角贅皮や眼間解離を除いた正常な顔立ち、境界型知的障害およびX線所見が3-M症候群に似ているため、同一疾患である可能性が高い。
Gloomy face syndromeは3-M症候群と同じ疾患と考えられる。一件の報告では、顔貌の特徴および遺伝方式が同一であるが、X線所見の異常は認められなかった。追加観察に関する情報は利用できない。特徴的なX線所見の異常は後に現れた。

頻度

3-M症候群は稀で、頻度は不明。1975年に初めて報告されて以来、おおよそ100名の罹患者が文献に報告されている[Milerら1975]。

遺伝学的関連(アレル)疾患

3-M症候群はCCDC8CUL7OBSL1における病的バリアントが起因とする唯一の疾患として知られている。


鑑別診断

全生産児の約0.17%に見られる子宮内発育遅延は本疾患の非特異的所見の一つである。以下は3-M症候群と鑑別する必要のある子宮内発育遅延―奇形症候群である(表2を参照)。

表 2. 3-M症候群の鑑別診断において考慮すべき疾患

疾患名 遺伝子 MOI 疾患の臨床的特徴
3-M症候群と重複 3-M症候群とは区別される
シルバーラッセル症候群(SRS) 脚注1 孤発性 IUGR、出生後の発育不全
  • SRSでは脚長差がよく見られる。
  • 3-Mで見られる特徴的なX線所見が観察されない。
デュボウィッツ症候群 不明 AR IUGR
  • 小頭症
  • 湿疹
  • 特徴的な顔貌 (傾斜した額、広い鼻梁、浅い眼窩上隆起、広い鼻尖、眼瞼裂短縮、眼角隔離、眼瞼下垂、耳の低形成を伴う小さな顔)
  • 知的障害
マリブレー低身長症
(OMIM 
TRIM37 AR IUGR
  • IUGRは3-Mの患児ほど重症ではない。
  • 特徴的顔貌 (高い前頭部、偽性水頭症様の頭蓋骨形状)
胎児アルコール症候群 NA NA IUGR
  • 小頭症
  • 皮下脂肪過少
  • 多毛症
  • 爪の低形成
  • 特徴的な顔貌
  • 知的障害

AR = 常染色体潜性遺伝(劣性遺伝) ; IUGR =子宮内発育不全 ; MOI = 遺伝形式

  1. SRS患者の35%〜50%に、染色体11p15.5の父親由来インプリンティング・センター1(IC1)の低メチル化が、約10%に母親由来の片親性の7番染色体のダイソミー(UPD7)が確認されている。

臨床的マネジメント

初期診断後の評価

3-M症候群と診断された患者の疾患の程度を確立するために、既に実施していない場合に以下の評価が推奨される: 

  • 股関節脱臼、関節可動性、および後側弯症を評価するための身体検査
  • 小児内分泌専門医への紹介:
    • 診断時の成長ホルモン欠乏症(まれ)の評価
    • 身体検査およびFSH、LH、およびテストステロンの血清濃度による思春期の男性の性腺機能の評価
  • 臨床遺伝医および/または遺伝カウンセラーとの相談

症状の治療

成人期の最終身長と成長は主要な治療項目となる。

  • 重度な関節弛緩から関節炎への進行を予防するために、早期に整形外科的評価と治療を勧めるべきである。
  • 一部の罹患者にとって、外科的骨延長術は一つの選択肢となる。
  • 低身長症者向けの補助器具は有効である。
  • 3-M症候群罹患男性に思春期における性腺機能を評価するための内分泌的検査を勧めるべきである。
  • 成長ホルモン(GH)療法は成長ホルモン分泌不全と診断された罹患者に適応される。GH療法は成長ホルモンが正常な小児罹患者にも試験的に行われている。GH療法は成長障害の管理に経験のある医療施設で行われるべきである。

注)数名の低身長罹患者に外因性GH治療を行ったが有効性を認めていない。高投与量のGH治療が有効と報告した症例(1件)もあるが、成長ホルモンの有効性に関する明確な検証はいまだにない。

サーベイランス

成長速度を特に考慮し、標準成長曲線に基づく、6〜12ヶ月ごとの成長モニタリングが推奨される。
特に歩行自立が遅い場合、小児の股関節脱臼に注意する。
側彎症の検査を毎年実施する。

リスクのある血縁者の評価

一見無症状である発端者の若い同胞とリスクのある親族を評価し、治療と予防措置を早期に開始することは適切である。

評価には、以下が含まれる:

  • 家族において病的バリアントが特定されている場合、分子遺伝学的検査
  • 家族において病的バリアントが特定されていない場合、特徴的な臨床的所見およびX線所見に対する身体検査および骨格検査

遺伝カウンセリングとして扱われるリスクのある親族への検査に関する問題は「遺伝カウンセリング」の項を参照のこと。

周産期の健康管理

罹患女性の周産期における健康管理は他の低身長症女性と同様に、主に未熟児を出産するリスクの低減となる。

研究中の治療

広範囲にわたる疾患や病態の臨床試験に関する情報は、ClinicalTrials.gov(米国)(https://clinicaltrials.gov)とEU Clinical Trials Register(ヨーロッパ)(https://www.clinicaltrialsregister.eu/ctr-search/search)より入手できる。
注:本疾患を対象とする臨床試験は行われていない可能性がある。


遺伝カウンセリング

「遺伝カウンセリングは個人や家族に対して遺伝性疾患の本質,遺伝,健康上の影響などの情報を提供し,彼らが医療上あるいは個人的な決断を下すのを援助するプロセスである.以下の項目では遺伝的なリスク評価や家族の遺伝学的状況を明らかにするための家族歴の評価,遺伝学的検査について論じる.この項は個々の当事者が直面しうる個人的あるいは文化的、倫理的な問題に言及しようと意図するものではないし,遺伝専門家へのコンサルトの代用となるものでもない.」

遺伝形式

3-M症候群は常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)形式をとる。

罹患者家族のリスク

発端者の両親

  • 罹患児の親は必ずヘテロ接合体(保因者)であり、病的バリアントアレルを1つ有する。(すなわち、CCDC8CUL7またはOBSL1の病的バリアントの保因者である)
  • へテロ接合(保因者)の一部は特徴的顔貌、突出した距骨や細い長骨との報告があるが、通常は無症状である。

発端者の同胞 

  • 理論的に、発端者の同胞は25%の確率で本症に罹患し、50%の確率で保因者となり、25%の確率で病的バリアントを受け継がない。
  • 保因者に特徴的な顔貌、突出した踵、細い長骨が見られるという報告が複数あるが、ヘテロ接合体(保因者)は通常無症状である。

発端者の子

  • 発端者の子は必ずヘテロ接合体(保因者)であり、CCDC8CUL7またはOBSL1の病的バリアントの保因者である。
  • 女性罹患者は妊孕力がある。
  • 男性罹患者は不妊となる可能性がある。

他の家族構成員

  • 発端者両親の同胞は50%の確率でCCDC8CUL7またはOBSL1の病的バリアントの保因者になる。

保因者の検出

家系内におけるCCDC8CUL7またはOBSL1の病的バリアントが同定されていれば、リスクのある血縁者の保因者診断は可能である。

遺伝カウンセリングに関連した問題

早期診断を目的とする血縁者の保因者診断は「臨床的マネジメント」および「罹患者家族のリスク」項目を参照する。

家族計画

  • 遺伝リスクの決定や出生前診断の利用について話し合う最適な時期は妊娠前である。
  • 罹患者、保因者あるいは保因者になる可能性のある若い成人に遺伝カウンセリング(子の潜在的リスクや生殖の選択肢に関する話し合いを含む)が行われることが望ましい。

DNAバンク DNAバンクは主に白血球から調製したDNAを将来の使用のために保存しておくものである。検査法や遺伝子,バリアントあるいは疾患に対するわれわれの理解が進歩するため,罹患者のDNAを保存することは考慮すべきかもしれない。
 
出生前診断および着床前遺伝子診断

分子遺伝学的検査 家系内の患者で3-M症候群の病的バリアントが検出された場合、リスクの高い妊娠に対する出生前診断および着床前遺伝子診断は可能である。

超音波検査 3-M症候群における子宮内発育遅延(IUGR)は非特異的で、且つ骨所見は出生後のみに現れるため、妊娠中の超音波検査による診断ができない。

ある報告によると、3-M症候群と診断された胎児は妊娠18週で大腿骨と脛骨の長さが5パーセンタイル、橈骨、尺骨、上腕骨の長さが5パーセンタイル以下、妊娠22週で、すべての長骨における発育遅延が見られた。

出生前診断については、専門医の間でも家族によっても考え方が異なるだろう.特に、検査が妊娠中絶を考慮したうえで行われる場合にはなおのことである。たいていの医療機関では出生前診断を受けるかどうかの決定は両親の選択に委ねると考えるであろうが、この問題に関しては慎重な議論が必要である。


関連情報


更新履歴:

  1. Gene Review著者:Muriel Holder-Espinasse, MD, PhD
    日本語訳者: 江田 肖(瀬戸病院 遺伝診療科),櫻井晃洋(札幌医科大学医学部 遺伝医学)
    Gene Review 最終更新日: 2012.1.26. 日本語訳最終更新日: 2014.4.22

  2. Gene Reviews著者: Melita Irving, MBBS, MD(Res) and Muriel Holder-Espinasse, MD, PhD
    日本語訳者: 吉村祐実(翻訳ボランティア),櫻井晃洋(札幌医科大学医学部 遺伝医学)
    GeneReviews最終更新日: 2019.2.7  日本語訳最終更新日: 2022.6.8[ in present]

原文 3-M Syndrome

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