脳腱黄色腫症
(Cerebrotendinous Xanthomatosis)

[Synonyms: Broad Thumbs-Hallux Syndrome]

GeneReviews著者: Antonio Federico, MD, Maria Teresa Dotti, MD, Gian Nicola Gallus. DSci.
日本語訳者: 和田宏来 (国際親善総合病院小児科/しんぜんクリニック小児科)

GeneReviews最終更新日: 2016.4.14. 日本語訳最終更新日: 2021.10.6

原文 Cerebrotendinous Xanthomatosis


要約

疾患の特徴 

脳腱黄色腫症(CTX)は脂質が蓄積する疾患で、乳児期発症の下痢、小児期発症の白内障、思春期から若年成人期にかけて発症する腱黄色腫、成人期発症の進行性神経障害(認知症、精神疾患、錐体路徴候および/もしくは小脳徴候、ジストニア、非定型パーキンソニズム、末梢性ニューロパチー、痙攣発作)を特徴とする。乳児期から始まる慢性下痢は、最も早くから認められる臨床症状のことがある。患者の約75%は、白内障が初発所見で、しばしば10歳になるまでに認められる。黄色腫は10代もしくは20代に現れる。アキレス腱や肘および手の伸筋腱、膝蓋腱、頸部の腱に認められる。黄色腫は肺、骨、中枢神経系でも報告されている。患者の中には乳児期早期より認知障害を呈する者もいるが、多くの者は思春期まで正常もしくはごく僅かな知的障害を認めるのみである。半数を超える患者は、20代に知的能力の緩徐な退行を伴う認知症を呈する。行動の変化、幻覚、興奮、攻撃性、抑うつ、自殺企図のような精神神経症状が目立つこともある。錐体路徴候(すなわち痙縮)および/もしくは小脳徴候は、ほとんど例外なく20歳から30歳の間に明らかとなる。
CTXと黄色腫を認める他疾患を鑑別する生化学的異常には、高い血漿および組織のコレスタノール濃度、正常~低い血漿コレステロール濃度、胆汁アルコールおよびその複合糖質の濃度上昇、脳脊髄液のコレスタノールおよびアポリポ蛋白Bの濃度上昇がある。

診断・検査 

CTXの診断は、上述した臨床所見および生化学所見を認める場合、および/もしくはCYP27A1遺伝子の両アレル病原性変異を同定した場合に確定する。

臨床的マネジメント 

症候の治療:
ケノデオキシコール酸(CDCA)の長期投与によって、胆汁酸合成、血漿および髄液コレスタノール濃度は正常化し、神経生理学的所見は改善する。HMG-CoA還元酵素阻害薬単独もしくはCDCAとの併用療法も、コレステロール濃度の低下や臨床徴候の改善に効果的である。しかし、それらは筋損傷を起こすことがある。コエンザイムQ10は筋力低下を改善する可能性がある。典型的には50歳までに少なくとも片眼の白内障手術が必要となる。てんかん、痙縮、およびパーキンソニズムは対症的に治療する。

一次症状の予防:
発症前のCDCA早期投与は発症を予防するようである。

二次合併症の予防:
カルシウムおよびビタミンD補給により骨粗鬆症は改善する。

経過観察:
1年に1回、神経学的および神経心理学的な評価、血漿コレステロール濃度、脳MRI、心臓エコー、および身体密度(total body density, TBD)を測定する。

避けるべき物質/環境:
スタチンは注意することが提唱されている。

リスクのある血縁者の評価:
生化学検査もしくは(家系内で2つの病原性変異が判明しているのであれば)分子遺伝学的検査により早期診断を行えば、早期治療が可能となり、発症予防や症状の軽減につながる可能性がある。

妊娠管理:
妊娠中にCDCAの投与を中断するべきではない。

遺伝カウンセリング 

CTXは常染色体劣性遺伝性疾患である。

受胎時に、罹患者の子どもが罹患している確率は25%、無症候性キャリアである確率は50%、罹患者でもキャリアでもない確率は25%である。双方のCYP27A1遺伝子変異が判明している家系では、疾患リスクのある血縁者に対する保因者検査、リスク妊娠における出生前検査を行うことが可能である。


診断

示唆的な所見

脳腱黄色腫症(CTX)でコンセンサスが得られた臨床診断基準はない。しかし、CTX診断の補助として、Mignarriら[2014]は臨床所見、家族歴、画像所見による点数に基づいた診断フローチャートを作成した。Mignarriら[2014]を参照(表2「疑う指標」および図1「診断フローチャート」)。
脂質蓄積病であるCTXは、以下のような臨床所見、画像所見および検査所見を認めた場合に疑うべきである

臨床的特徴

fig1

図1 

CTXにおける腱黄色腫の局在や重症度の違い、典型的なアキレス腱の黄色腫(A)のほかに、膝蓋腱(B)、手の伸筋腱(C)および肘の伸筋腱(D)に黄色腫が認められた。

脳画像検査

fig2

図2 3人のCTX A患者におけるMRI所見。大脳脚の信号変化。

検査所見

CTXはミトコンドリア酵素ステロール27-ヒドロキシラーゼの欠損により、およそ全ての組織にコレスタノールやコレステロールが蓄積して起こる。
注:Caliら[1991]は、ステロール27-ヒドロキシラーゼは文献でよくステロール26-ヒドロキシラーゼと表現されていることを指摘した。しかし、IUPACによるステロールの命名法やこの酵素で触媒される初期反応の三次元的な構造に従い、このGeneReviewの著者らはステロール27-ヒドロキシラーゼと表現することにする。以下のような検査所見を認める。

表1 CTXにおける生化学的異常

検査対象 検体 濃度
CTX患者 正常値
コレスタノール 血漿 <5-10×正常値 330±30μg/dL
胆汁アルコール 尿 1400±3500nmol/L 検出感度以下
血漿 ≤500-1000×正常値 8.48±3,67

診断の確定

CTXの診断は、上述した臨床および生化学的検査所見を有する、および/もしくは分子遺伝学的検査でCYP27A1遺伝子の両アレル変異を同定することにより確定する(表2を参照)。
分子遺伝学的アプローチには、単一遺伝子検査複数遺伝子パネルの利用などがある。

複数遺伝子パネルの導入に関してはこちらをクリック。遺伝学的検査を依頼する臨床医のためのさらに詳細な情報についてはこちらを参照のこと。

表2 CTXで用いられる分子遺伝学的検査

遺伝子1 方法 この方法で同定される病原性変異2を有する発端者の頻度
CYP27A1 シークエンス解析3 >90%
遺伝子標的欠失/重複解析4 <8%5
不明6 データなし  
  1. 染色体遺伝子座と蛋白については表A「遺伝子およびデータベース」を参照。
  2. この遺伝子で同定されるアレル変異に関する情報は「分子遺伝学」を参照。
  3. シークエンス解析では、良性/おそらく良性/意義不明/おそらく病原性をもつ/病原性をもつ変異を同定する。病原性変異には、小さな遺伝子内欠失/重複、ミスセンス、ノンセンス、スプライス部位変異などがある。典型的には、エクソンもしくは全遺伝子の欠失や重複は同定されない(表3を参照[pdf])。シークエンス解析結果の解釈について考慮すべき問題についてはこちらをクリック。
  4. 遺伝子標的欠失/重複解析では遺伝子内欠失/重複を同定する。用いられる方法には、定量PCR、ロングレンジPCR、多重連結反応依存性プローブ増幅法(MLPA)、単一エクソンの欠失/重複を検出できるようデザインされた遺伝子標的マイクロアレイなどがある。
  5. イタリアの55症例[著者の個人的な経験]
  6. Hanssonら[2007]は、シス位置に2つのCYP27A1遺伝子アレル変異を有する患者を報告した。著者らは、ステロール27-ヒドロキシラーゼ活性にとって重要な未知の遺伝子の病原性変異が他に存在し、発症の原因になっていると推測している。

臨床的特徴

臨床記述

脳腱黄色腫(CTX)は乳児期発症の下痢、小児期発症の白内障、思春期から若年成人期に認める脳腱黄色腫、および成人期発症の進行性神経機能障害(認知症、精神異常、錐体路兆候および/もしくは小脳症状、ジストニア、非定型パーキンソンニズム、末梢神経障害、およびけいれん発作)を特徴とする脂質蓄積病である。報告されているCTX患者55人の臨床症状を以下に示す。白内障49人(89%)、腱黄色腫43人(78%)、骨粗鬆症20人/30人(67%)、下痢22人(40%)、知的障害33人(60%)や精神異常24人(44%)など神経疾患。失調症20人(36%)、対麻痺35人(64%)、パーキンソニズム5人(9%)、末梢神経障害21人/30人(70%)、けいれん発作18人(33%)(図3を参照)。家系内での多様性も大きい。

fig3

図3 CTX患者55人(男性27人、女性28人)の臨床徴候[Mignarriら, 2014年]。*は患者55人のうちの一部で評価された徴候である(骨減少症の場合は患者30人のうち20人で認められたということ)

全身症状と神経症状の間に差を認めることがあるが、その詳細については以下に記述する。

全身徴候

肝外系 乳児期発症の慢性下痢症はCTXで最も早くから認められる臨床症状のことがある。ときに胆石が報告されている。

 約75%の患者で最初に認められる所見は白内障であり、しばしば10歳になる前に現れる。患者の25%で、白内障は40歳を過ぎて最初に認められる。白内障は、水晶体切除術を必要とするような視覚への影響が大きい混濁のこともあれば、大した影響を与えない水晶体皮質の混濁のこともある。不規則な皮質混濁、前極白内障、強い後嚢下白内障などの所見が認められる。
その他の所見には、眼瞼黄色板症、視神経萎縮、眼球突出などがある。Dottiら[2001]による32-54歳13人の報告によると、全員白内障で、そのうち約50%に視神経乳頭蒼白、30%に網膜血管硬化症を伴う網膜細胞の早期細胞老化、15%に血管アーケードに沿ったコレステロール様沈着物、15%に有髄神経線維が認められている。
Khanら[2013]は、小児CTX患者3人に独特な点状の水晶体混濁を認めたことを報告した。水晶体嚢の混濁(後嚢のみ、もしくは前嚢および後嚢)により、視覚症状が認められている。

黄色腫は10代もしくは20代に現れる。典型的なアキレス腱の黄色腫に加え、肘や手の伸筋腱や膝蓋腱(図1)、および頸部の腱にも認められる。黄色腫は肺、骨、中枢神経系(CNS)に認められた報告もある。

心血管系 早期のアテローム性動脈硬化や冠動脈疾患、また心房中隔脂肪性肥大が報告されている。CTX患者で動脈硬化が認められる理由として、血漿中の脂質およびリポ蛋白分画の変化、胆汁アルコールの変化、粥腫の細胞成分中のステロール27-ヒドロキシラーゼ活性の欠損、コレステロールから27-ヒドロキシコレステロールおよび3p-ヒドロキシ5-コレスタン酸への代謝におけるマクロファージへの防衛機構の欠如で部分的に説明可能である。

骨格系 骨病変は、腰椎および大腿骨の肉芽腫様病変、骨減少症、骨折リスクの増加、ケノデオキシコール酸による治療で改善する放射性カルシウムの吸収障害を特徴とする。未治療患者では全身骨密度測定にて骨減少症が認められる。著明な胸椎後弯を認めることがある。

内分泌異常 時に甲状腺機能亢進症が報告されている。

早期老化(早老) 早期発症の白内障、骨折を伴う骨減少症、歯の喪失、アテローム性動脈硬化、認知症および/もしくはパーキンソニズムなどの神経障害に特徴的な顔貌を認めた場合は、全身性の早期老化が示唆される。

神経学的徴候

知的障害もしくは認知症は、20代の半数を超える患者において、緩徐な知的能力の退行に続いて認められる。一部の患者では乳児期早期より緩徐な認知機能の障害がみられるが、多くは思春期までは正常もしくは僅かな知的機能の障害を認めるのみである。脊髄型は、主に脊髄症や痙性対麻痺を特徴とし、知能はほとんどが正常である。

精神神経症状として、行動変化、幻覚、興奮、攻撃性、抑うつ、自殺企図を認めることがある。

錐体路症状(すなわち痙縮)および/もしくは小脳徴候は20-30歳でほとんどに認められる。痙性対麻痺を臨床的な主症状とする脊髄型では、Van Bogaert[1962], さらに最近ではVerripsら[1999a], Mignarriら[2011]によって報告されている。

錐体外路症状として、時にジストニア、非定型パーキンソニズムが報告されている。最初の患者で口蓋ミオクローヌスが認められたが、大規模な症例集積研究では認められなかった。

けいれん発作はCTX患者の約半数で報告されている。

末梢神経障害として、電気生理学的検査で神経伝導速度(NCV)の低下や体性感覚、運動、脳幹、視覚誘発電位の異常が認められる。末梢神経障害に関連した臨床症状に遠位筋萎縮や凹足がある。稀に感覚異常が報告されている。

神経画像

CTX患者における脳損傷の定量的評価に磁化移動MRIを利用した報告もある。

病理学的所見

組織変化 肝臓の組織学的所見として、滑面小胞体に囲まれた高電子密度無形性物質、および準結晶封入物やペルオキシソームの増加などのミトコンドリア異常が認められる。黄色腫は、泡状細胞質を伴う多数の多核巨細胞によって囲まれた複屈折結晶を特徴とする。

神経病理 CTXにおける古典的な中枢神経症状の病理所見として、小脳半球、淡蒼球、小脳脚における肉芽腫性および黄色腫病変が認められる。脱髄、神経膠症、および脊髄の長索路病変が報告されている。神経生検では一次軸索変性、脱髄、再髄鞘化がみられる。Federicoら[1991]は、ランダムに神経線維が萎縮し、神経線維サイズが不均等である軽度のミオパチー性変化を報告した。微細構造の異常として、筋細胞膜下のミトコンドリア凝集および細胞小器官の形態学的変化などが認められる。呼吸鎖酵素活性の低下が報告されている。

ヘテロ接合体

ヘテロ接合体は一般的に無症状である。しかし、ヘテロ接合体において、心血管疾患や胆石の発生頻度増加から生化学的に診断されたCTX患者における有症状ヘテロ接合体まで、幅広い臨床所見が報告されている。Hanssonら[2007]は、CYP27A1病原性変異とミトコンドリア内へのコレステロール輸送蛋白をおそらくコードする未確定遺伝子病原性変異のヘテロ接合体患者を報告した。

遺伝子型と表現型の相関

遺伝子型と表現型に相関は認められていない。多くの遺伝子と他因子の相互作用が臨床症状に影響している可能性がある。

命名法

以下はCTXに対して過去に使用され、もはや使用されていない病名である。

頻度

CTXの発生頻度は推定で100,000人に0.13人である。
p.Arg395Cysの両アレル変異によるCTXの発生頻度は北欧で50,000人に1人と推定されている。
症例シリーズ報告はイスラエルおよび米国、イタリア、スペイン、日本、オランダでされている。症例報告はベルギー、ブラジル、カナダ、フランス、イラン、ノルウェー、チュニジア、スペイン、中国、スウェーデンで認められる。


遺伝学的に関連する(アレルに関する)疾患

このGene Reviewで記述している以外に、CYP27A1遺伝子変異と関連することが知られている他の表現型はない。


鑑別診断

黄色腫の鑑別疾患として以下がある。

黄色腫が認められない場合、CTXの鑑別疾患には、進行性の精神退行を示す全ての病型が含まれる。

早期発症の白内障 Cruysbergら[2002]は、早期発症の白内障や既知の神経疾患を伴う2番目に大規模な患者群を報告している。(筋強直性ジストロフィー1型が最大の患者群である。) 乳児期発症の慢性下痢や知的障害/退行を合併する原因不明の若年発症白内障は、CTXの可能性を強く示唆する。


臨床的マネジメント

初期診断に続く評価

CTXと診断された患者において、疾患の広がりやニーズを把握するため以下の評価が推奨される。

病変に対する治療

ケノデオキシコール酸(CDCA CDCA(成人で750mg/日)の長期投与により胆汁酸合成の正常化(血清・胆汁・尿の異常代謝産物は消失する)、コレスタノール合成の抑制による血漿および脳脊髄液コレスタノール濃度の正常化、そして精神神経所見や骨減少症などその他の臨床症状は改善する。最近の報告は以下を参照:Bonnotら[2010], Ginanneschiら[2013], Martiniら[2013], Yahalomら[2013]
CDCAによる治療で以下のような結果が示されている。

HMG-CoA還元酵素阻害剤は単独で、もしくはCDCAとの併用でもコレスタノール濃度の低下や臨床徴候の改善が得られている。しかしながら、HMG-CoA還元酵素阻害剤は筋損傷、時に横紋筋融解症でさえ誘発することがあり、慎重に使用する必要がある。

LDLアフェレーシスも可能な治療として提唱されている。結果は議論の余地がある。

コエンザイムQ10(CoQ10)は筋力低下を改善する可能性がある。

肝移植はCTX患者で行われたことはないが可能性は残している。

 典型的には白内障手術は50歳までに少なくとも片眼に必要となる。

対症療法はてんかん、痙縮、パーキンソニズムに対して行われてきた。パーキンソニズムはレボドパの効果は乏しいが、抗ヒスタミン薬であるジフェニルピラリン塩酸塩は3名で著しい効果が得られている。

一次症状の予防

発症前のCDCAによる早期治療は臨床症状を予防するようである(「病変に対する治療」を参照)。

二次合併症の予防

カルシウムおよびビタミンDの補給は骨減少症を改善する。

経過観察

以下を年に1回試行し、経過観察する。

回避すべき薬物や環境

スタチンは慎重に使用することが提唱されている。

リスクのある血縁者の評価

迅速な治療開始が有益である患者を可及的速やかに発見するために、家族内でCYP27A1病原性変異の分子遺伝学的検査を行い、患者の一見無症状である同胞の遺伝学的状況を明らかにすることがのぞましい。家族内で病原性変異が判明していない場合、疾患リスクのある患者は生化学検査を行ってよい。

遺伝カウンセリングとして扱われるリスクのある血縁者への検査に関する問題は「遺伝カウンセリング」の項を参照のこと。

妊娠管理

ケノデオキシコール酸による治療は妊娠中でも中断すべきではない。

研究中の治療法

スタチンとLDLアフェレーシスによる治療が報告されている。コール酸は血縁関係にある乳児期発症の2名に対して用いられ、症状の改善が認められた。

広範囲にわたる疾患や病態に関する臨床試験の情報は、米国ではClinicalTrials.govを、欧州ではEUClinical Trials Registerを参照のこと。

その他

ウルソデオキシコール酸、ロバスタチン、コレスチラミンは効果が認められないことが報告されている。


遺伝カウンセリング

「遺伝カウンセリングは個人や家族に対して遺伝性疾患の本質,遺伝,健康上の影響などの情報を提供し,彼らが医療上あるいは個人的な決断を下すのを援助するプロセスである.以下の項目では遺伝的なリスク評価や家族の遺伝学的状況を明らかにするための家族歴の評価,遺伝学的検査について論じる.この項は個々の当事者が直面しうる個人的あるいは文化的、倫理的な問題に言及しようと意図するものではないし,遺伝専門家へのコンサルトの代用となるものでもない.」

遺伝形式

CTXは常染色体劣性遺伝形式で遺伝する。

家族構成員のリスク

発端者の両親

発端者の同胞 

発端者の子

他の家族構成員

発端者の両親の同胞がCYP27A1遺伝子変異の保因者であるリスクは50%である。

保因者(ヘテロ接合体)診断

リスクのある血縁者で保因者診断を行うより先に、家族内でCYP27A1遺伝子変異を同定する必要がある。

遺伝カウンセリングに関連した問題

早期診断・治療目的で疾患リスクのある血縁者に対して行う検査に関する情報は「臨床的マネジメント」「リスクのある血縁者の評価」を参照のこと。

家族計画

DNAバンキング

DNAバンクは(主に白血球から調整した)DNAを将来利用することを想定して保存しておくものである。検査技術や、遺伝子・アレル変異・疾患に対するわれわれの理解が将来さらに進歩すると考えられるので、罹患者のDNA保存を考慮すべきである。

出生前検査および着床前診断

家族内でCYP27A1遺伝子変異が同定された場合、出生前検査や着床前診断を行うことが可能である。


更新履歴:

  1. GeneReviews著者: Antonio Federico, MD, Maria Teresa Dotti, MD, Gian Nicola Gallus. DSci.
    日本語訳者:和田宏来 (国際親善総合病院小児科/しんぜんクリニック小児科)
    GeneReviews最終更新日: 2016.4.14. 日本語訳最終更新日: 2021.10.6[ in present]

原文 Cerebrotendinous Xanthomatosis

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