Gene Reviews著者:Aditi I Dagli, MD, Christiaan P Sentner, MD, and David A Weinstein, MD, MMSc.
日本語訳者: 和田宏来 (県西総合病院小児科/筑波大学大学院小児科)
Gene Reviews 最終更新日: 2016.12.29.日本語訳最終更新日: 2017.3.10
原文 Glycogen Storage Disease Type Ⅲ
疾患の特徴
糖原病Ⅲ型(GSDⅢ)はさまざまな肝臓・心筋・骨格筋病変を特徴とする疾患である。
Ⅲa型はもっともよく認められる亜型で、約85%を占める。肝・筋病変を呈する。Ⅲb型は肝病変のみで、Ⅲ型全体の約15%を占める。
肝病変は、乳児期および小児期早期にケトン性低血糖、肝腫大、高脂血症、肝トランスアミナーゼ上昇で発症する。思春期や成人期には、肝疾患は目立たくなる。Ⅲa型患者の多くは通常小児期に肥大型心筋症を発症する。多くは無症状だが、重度の心機能障害、うっ血性心不全、(まれに)突然死と臨床的な重症度は多岐にわたる。筋力低下をきたす骨格筋のミオパチーは通常小児期には顕在化しないが、緩徐に進行し、典型的には20-30代に顕著となる。
診断・検査
肝腫大、空腹時のケトン性低血糖、血清トランスアミナーゼおよび血清CKの上昇が糖原病Ⅲ型で目立つ特徴である。診断時の精査では血清CKは上昇していない可能性があるが、乳酸アシドーシスの欠如やAST・ALTの著明な上昇が診断の手がかりとなる。グルカゴン投与後の空腹時血糖の測定により診断を支持する。血糖上昇を期待したグルカゴン投与は、長期絶食後の場合は行うべきではないが、絶食期間が2時間未満の場合は行うべきである。診断はAGL遺伝子の両アレル病原性変異の同定によって確定される。
臨床的マネジメント
症候の治療:
血糖を正常に保つために高蛋白食および頻回食(3-4時間ごと)が乳児期の治療の中心である。果糖(フルクトース)やガラクトースを使用してもよい。特殊ミルクは必要ない。1歳に近づけば、低血糖の回避のためコーンスターチ1g/kgを1日1-3回使用してもよい。3g/kgの蛋白摂取が推奨される。コーンスターチや蛋白では一晩もたない場合は、徐放性コーンスターチであるGlycosade®を使用してもよい。肝移植は重度の肝硬変、肝機能障害、肝細胞癌の患者で施行される。肝移植でミオパチーや心筋症が悪化する可能性がある。
一次症状の予防:
「症候の治療」を参照。
二次合併症の予防:
外科手術を施行する患者に対しては低血糖予防に特別な注意を払う。
定期検査:
最適に近い代謝コントロールの期間を明らかにするために、午前2時~4時の間の血糖、もしくは起床時の尿中ケトンを少なくとも1ヶ月に数回は測定するべきである。
1年に1回、身長と体重の測定、肝エコー、血液検査(肝機能、CK、脂質プロフィール)、心エコーを施行する。成長期を終えたら骨密度測定が推奨される。
避けるべき薬物や環境:
単糖類の過剰摂取、ステロイドベースの薬剤、成長ホルモン補充療法は避ける。ホルモン剤による避妊、高脂血症に対するスタチンの使用は慎重に行う。
リスクのある親族の検査:
リスクのある同胞で出生前診断を行うことにより、低血糖予防のため早期に食事療法を開始することができる。
妊娠管理:
妊娠期間中はグルコース必要量が増加するため、モニタリングや支援を増やす。
遺伝カウンセリング
糖原病Ⅲ型は常染色体劣性遺伝性疾患である。罹患者の同胞は、受胎時には25%の確率で罹患者であり、50%の確率で無症候性キャリアであり、25%の確率で罹患者でもキャリアでもない。家族内で病原性変異が判明している場合、リスクのある家族に対する保因者診断やリスク妊娠に対する出生前検査を行うことは可能である。
糖原病Ⅲ型はさまざまな肝臓・心筋・骨格筋病変を特徴とする疾患である。
組織における不十分な酵素発現の違いに基づき、4つの亜型が知られている。
示唆される所見
以下に示すような糖原病Ⅲa型・Ⅲb型の基本的な臨床的特徴や初期検査所見を認めた場合には、糖原病Ⅲ型を疑うべきである。
基本的な臨床的特徴
肝疾患
ミオパチーによる筋力低下は緩徐に進行し、20-30代に顕著となる。
Ⅲa型患者の多くは通常小児期(まれには生後1年ほど)に肥大型心筋症を発症する。
骨格筋ミオパチーはないかあっても最小限である。臨床的な重症度には幅があり、ほとんどの者は無症状である。しかし、重篤な心機能障害、うっ血性心不全、(まれだが)突然死が報告されている。
初期検査所見
空腹時のケトン性低血糖が糖原病Ⅲ型の主な特徴である。しかし、非ケトン性低血糖も報告されている。未治療では夜間絶食後のケトン濃度は0.5-1.5mmol/Lに達しうる。低血糖を予防できた場合にはみられなくなる。
血清濃度
ひとたび幼児が活動的になれば、クレアチンキナーゼ(CK)は上昇する。しかし、生後数年間にCKが正常だったとしても筋病変を除外することはできない。同様に、20歳までは臨床的にミオパチー/筋力低下を伴わない孤発性のCK上昇をよく認める。
診断の確定
血清トランスアミナーゼやCKの上昇を伴う肝腫大、ケトン性低血糖は糖原病Ⅲ型の特徴である。
分子遺伝学的検査による両アレルAGL病原性変異の同定が診断確定のための次のステップとなる。
表1 糖原病Ⅲ型で用いられる分子遺伝学的検査の要約
遺伝子1 | 検査方法 | この検査方法によって同定される変異2 を有する発端者の頻度 |
---|---|---|
AGL | シークエンス解析2 | ~95%3 |
ターゲット遺伝子の欠失/重複解析4, 5 | 不明6 |
脱分枝酵素活性解析 脱分枝酵素はアミロ-1, 6-グルコシダーゼ(EC 3.2.1.33)と4-アルファ-グルカノトランスフェラーゼ(EC 2.4.1.25)の2つの活性部位を有する単一のポリペプチドである。糖原病Ⅲ型の診断に肝/筋生検は必須ではなく、行われることもまれである。しかし、分子遺伝学的検査で診断を確定できない場合には、肝/筋生検で得た検体および比較用に対照群の脱分枝酵素活性を測定してもよい。
注:(1)米国では白血球の脱分枝酵素活性測定は行えない。(2)血清CK値が正常でも筋病変を除外できず、臨床的亜型分類を行うには遺伝子型-臨床型の関連性に関する情報は十分ではないため、Ⅲa型(肝・筋病変、Ⅲ型全体の85%)とⅢb型(肝病変のみ、Ⅲ型全体の15%)を鑑別するには筋生検による脱分枝酵素活性やグリコーゲン含有量の測定が考慮されることもある。
臨床像
糖原病Ⅲ型(GSDⅢ)はさまざまな肝臓・骨格筋・心筋病変を特徴とする疾患である。Ⅲa型(Ⅲ型全体の~85%)は肝・筋病変を呈し、Ⅲb型(Ⅲ型全体の~15%)は肝病変のみで、典型的には小児期にトランスアミナーゼの著明な上昇や高トリグリセリド血症を伴う肝腫大、ケトン性低血糖で発症する。
肝疾患 発症様式には糖原病Ⅰ型でみられるような重度の低血糖から無症候性の肝腫大まで含まれる。肝疾患は進行性で肝線維化に至り、一部の症例では肝硬変や肝細胞癌が認められる。
肝臓の組織像では、グリコーゲンによる肝細胞の著明な腫大を認める。線維性隔壁、門脈周囲の線維化はしばしば認められる。疾患の経過に伴って線維化は進行し、Ⅲ型では他の糖原病よりも程度が強い(「鑑別診断」を参照)。
肝硬変に至った糖原病Ⅲ型患者では、プロトロンビン時間の延長と血清アルブミンの低値が報告されている。
肝細胞腺腫は小さなコホートだが糖原病Ⅲ型患者の25%に認められている。しかし、真の発生率はそれいよりも少ないと考えられている。より最近のSentnerら(2016)による報告によれば発生率は6.9%である。代謝コントロールと肝細胞腺腫の発生の関連性は明らかとなっていない。
糖原病Ⅲ型では、肝硬変(肝細胞腺腫ではない)は肝細胞癌に至る。対して、糖原病Ⅰ型では肝細胞癌は肝細胞腺腫が存在する場合に発生する。
ミオパチー は小児期には認められないかあっても最小限であり、緩徐に進行して20-30代に目立つようになる。近位筋が主に侵されるが、遠位筋(下腿三頭筋、腓骨筋、手を含む)病変も認められる。
血流の変化や神経の機能障害がそれぞれ運動不耐および筋力低下の一因となっている可能性がある。
心筋症 は肥大型心筋症のエコー像を呈し、Ⅲa型患者の多くに認められる。世界的な糖原病Ⅲ型データベースに基づいた直近の報告によると、心病変はⅢa患者の58%にみられると報告されている。
心筋症は通常小児期に発症する。しかし、まれに生後1年以内に認められることが報告されている。重症度は一定ではなく、ほとんどの患者は無症状である。しかし、ときに重度の心機能障害、うっ血性心不全、突然死が報告されている。
代謝コントロールが不良の場合、成長に障害をきたすことがある。代謝コントロールが良好になれば成長のキャッチアップを認めることがある。
他の糖原病のようにⅢ型でも骨粗鬆症や骨減少症が報告されている。Mundyら(2008)は骨粗鬆症の原因はおそらく多因子性で、筋力低下、代謝環境の異常、最善には及ばない栄養状態の関与を示唆している。Melisら(2016)も、原因は多因子性で、慢性的な高脂血症や血清IGF-1/インスリン/オステオカルシンの低値による代謝バランスの異常によるという仮説を唱えている。
糖原病Ⅲ型で多嚢胞性卵巣を認めることがある。妊孕性は侵されないようである。
遺伝子型と臨床型の関連
少なくともエクソン3における2つの病原性変異(c17_18delAGおよびc.16C>T)と糖原病Ⅲb型の間において、明らかな遺伝子型-臨床型の関連性はない。しかし、エクソン3の病原性変異を有する患者の筋組織において、どのような機序で脱分枝酵素活性が保たれるのかは不明である。Goldsteinら(2010)によれば、下流のスタートコドンを用いることでエクソン3の病原性変異をバイパスし、完全に機能するアイソフォームが形成されるためと説明されている。
他のAGL病原性変異と疾患重症度の間における遺伝子型-臨床型の関連性は報告されていない。家族内においてでさえ均一ではないことが報告されている。
命名
GB Forbes医師の患者において、IllingworthとCoriにより短い外鎖を伴う異常なグリコーゲンが初めて見出された。したがって、糖原病Ⅲ型は限界デキストリン症、コリ病(Cori disease)、フォーブス病(Forbes disease)としても知られている。
発生率
糖原病Ⅲ型はまれであり、発生率は100,000人に1人である。
ある民族では創始者効果により発生率が高い。
このGeneReviewで述べた以外のAGL病原性変異と関連がある他の臨床型は知られていない。
糖原病Ⅲ型と他の糖原病を鑑別するのに有用な所見には以下がある。
糖原病Ⅰ型(GSDⅠ)はG6PC変異(Ⅰa型)もしくはSLC37A4(Ⅰb型)の変異によって起こる常染色体劣性遺伝性疾患である。Ⅲ型は乳児期にはⅠ型と区別できない可能性がある。しかし、いくつかの重要な相違点により2つを鑑別できるかもしれない。
糖原病Ⅵ型(GSDⅥ)および糖原病Ⅸ型(GSDⅨ)はそれぞれ肝グリコーゲンホスホリラーゼ、ホスホリラーゼキナーゼの欠損によって起こる。ホスホリラーゼキナーゼは、グリコーゲン鎖から末端のグルコースを切断する肝グリコーゲンホスホリラーゼの活性化を司る。糖原病Ⅵ型とⅨ型を臨床的に区別することはできない。患者はケトン性低血糖と肝腫大を呈する。血清CKは上昇せず、AST・ALTは通常Ⅲ型ほどは上昇しない。
Ⅵ型はPYGL変異によって起こる常染色体劣性遺伝性疾患である。
Ⅸ型はホスホリラーゼキナーゼをコードする遺伝子の変異によって起こる、X連鎖性もしくは常染色体劣性遺伝性疾患である。
他の筋型糖原病 にはⅤ型やⅦ型があり、成人期に筋力低下や横紋筋融解症を呈する。
初期診断後の評価
糖原病Ⅲ型と診断された患者の疾患の広がりとニーズを把握するため、以下が推奨される。
病変に対する治療
糖原病Ⅲ型の治療の中心は、血糖を正常に保つためのコーンスターチと高蛋白食である。
乳児期には、3-4時間おきの食事が推奨される。糖原病Ⅰ型の乳児で与えられるような食事とは異なり、Ⅲ型では利用できるのであれば果糖やガラクトースを含んでいてもよい。特殊ミルクは必要ない。
1歳に近づくにつれコーンスターチを摂取できるようになり、低血糖予防のため用いることができる。最初は1日1-3回を必要とし、典型的には6時間おきに1g/kgで開始する。用量は血糖やケトン体の測定結果に基づいて増量してよい。
糖新生は保たれており、蛋白はグルコースの材料として用いることができるため、3g/kgの蛋白摂取が推奨される。コーンスターチや蛋白では一晩もたない場合、徐放性コーンスターチであるGlycosade®を使用してもよい。
高蛋白食はグルコースの需要に伴った内因性筋蛋白の分解を防止し、骨格筋や心筋を維持する。
月に数回の血糖・血中ケトン測定によって、最適に近い代謝コントロールの期間を見極めることができる。
ミオパチーや心筋症は高蛋白食および過剰な炭水化物摂取を避けることで改善することができる。
コレステロールやトリグリセリド上昇に対してまず行う治療は、最適に近い代謝コントロールを得るように食事中の蛋白やコーンスターチの量の調整することである。
救急プロトコール 危険な低血糖を回避するための救急プロトコールを確立すべきである。救急処置室に入室したらすみやかに10%デキストロースと1/2生食を維持量の1.5倍静注すべきである。血清電解質、グルコース、ケトン体をモニターするべきである。嘔吐や異化状態を悪化させうるケトーシスは是正するように努力するべきである。
肝移植 糖原病Ⅲ型では、肝合併症は予後を左右する主な原因とならない。また、現代の治療戦略や良好な代謝コントロールで主な合併症を防ぐことができる。それゆえ、肝移植は糖原病Ⅲ型患者にとって最後に残された治療法とみなすべきである。肝移植にてⅢa型およびⅢb型双方で低血糖を防ぐことができる。しかし、Ⅲa型患者では筋障害は残存する。
肝移植では心臓や骨格筋の問題は解決せず、移植はミオパチーや心筋症の悪化と関連するため、肝移植は重度の肝硬変、肝機能障害、肝細胞癌の患者でのみ適応となる。
一次病変に対する予防
糖原病Ⅲ型の一次病変のほとんどは良好な代謝(食事)コントロールで軽快もしくは回避することができる。
正常血糖が維持されケトーシスが回避された場合、肝腫大は縮小し、他の検査値異常(AST・ALT上昇、血清トリグリセリド上昇など)は正常化するかベースラインに近づく。
ミオパチーと心筋症は良好な食事コントロールによって部分的に回避することができる。最新のエビデンスによれば、糖原病Ⅲ型患者では運動中に骨格筋の代謝が障害されることが示唆されている。運動前に果糖もしくはショ糖を摂取することで運動耐容能が改善する可能性もあるが、運動で誘発されるダメージを完全に防ぐことはできない。
二次合併症の予防
手術 手術を施行する糖原病Ⅲ型患者は前夜に入院し、最後のコーンスターチもしくは食事の2時間以内から10%デキストロースを含む点滴を開始するべきである。血糖と血中ケトン体の測定を夜間および手術中は継続するべきである。高インスリン状態による危険な低血糖が起こりうるため、デキストロースの静注は突然中止するべきではない。経口摂取が十分できるようになったら、静注は緩徐に漸減する必要がある。
骨粗鬆症は成人糖原病Ⅲ型患者でみられることがある。良好な代謝コントロールにより筋力やケトーシスは改善する。骨の石灰化は酸性環境下では障害される。対して、筋の状態や筋力の改善は骨の石灰化を促進する。骨の石灰化を促すためビタミンDやカルシウムの補給も推奨される。
定期検査
最適に近い代謝コントロールの期間を明らかにするために、午前2時~4時の間の血糖、もしくは起床時の尿中ケトンを少なくとも1ヶ月に数回は測定するべきである。
以下を1年に1回施行することがのぞましい。
避けるべき薬物や環境
以下は避ける。
リスクのある親族の検査
リスクのある同胞で出生前診断を行うことにより、低血糖予防のため早期に食事療法を開始することができる。
妊娠管理
妊娠期間中はグルコース必要量が増加するため、モニタリングや支援を増やす。代謝要求量(metabolic requirement)は第2三半期・第3三半期で次第に増加し、血糖およびケトン体の緊密なモニタリングが最適な代謝コントロールのためには重要である。ケトーシスは子宮収縮や早産を起こしうるため、第3三半期および予定日に近づいたらケトン体を正常範囲内に維持することが必要不可欠である。分娩時や出産後は、低血糖を防ぐためいつでもグルコース静注を行えるようにしなければならない。
研究中の治療法
さまざまな疾患に関する臨床試験に関する情報はClinicalTrials.govを参照のこと。注:この疾患における臨床試験は行われていない。
「遺伝カウンセリングは個人や家族に対して遺伝性疾患の本質,遺伝,健康上の影響などの情報を提供し,彼らが医療上あるいは個人的な決断を下すのを援助するプロセスである.以下の項目では遺伝的なリスク評価や家族の遺伝学的状況を明らかにするための家族歴の評価,遺伝学的検査について論じる.この項は個々の当事者が直面しうる個人的あるいは文化的、倫理的な問題に言及しようと意図するものではないし,遺伝専門家へのコンサルトの代用となるものでもない.」
遺伝形式
糖原病Ⅲ型は常染色体劣性遺伝性疾患である。
患者家族のリスク
発端者の両親
発端者の同胞
発端者の子
発端者の他の家族
発端者の両親の同胞がAGL病原性変異のキャリアであるリスクは50%である。
保因者診断
リスクのある親族の保因者診断を行う前に、家族内のAGL病原性変異の同定が必要である。
遺伝カウンセリングに関連した問題
早期診断・治療を目的としたリスクのある親族の検査についての情報は、「臨床的マネジメント」「リスクのある親族の検査」を参照のこと。
家族計画
DNAバンクは(主に白血球から調整した)DNAを将来利用することを想定して保存しておくものである。検査技術や遺伝子、変異、あるいは疾患に対するわれわれの理解が将来さらに進歩すると考えられるので、DNA保存が考慮される。
出生前診断および着床前診断
ひとたび家族内でAGL病原性変異が同定された場合、リスク妊娠に対する出生前検査や着床診断を行うことは可能である。
特に早期診断ではなく妊娠中絶を考慮した検査である場合に、医療従事者や家族の間でも出生前検査に関して視点の違いが存在する可能性がある。ほとんどの施設において、出生前診断に関する決定は両親の選択によると考えるが、これらの問題に関して話し合うことがのぞましい。