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MECP2関連疾患
(
MECP2-Related Disorders)
[Includes: Classic Rett Syndrome, MECP2-Related Severe Neonatal Encephalopathy, PPM-X Syndrome]

Gene Review著者: John Christodoulou, MBBS, PhD, FRACP, FRCPA, FHGSA, Gladys Ho, BSc, MSc
日本語訳者: 伊藤雅之(国立精神神経センター神経研究所疾病研究第2部)、
久保田健夫(山梨大学大学院医学工学研究科環境遺伝医学講座)
Gene Review 最終更新日: 2009.4.2. 日本語訳最終更新日: 2010.3.3.

原文 MECP2-Related Disorders


要約

疾患の特徴 

MECP2遺伝子-関連疾患は、女性では、古典的レット症候群、レット症候群の亜型、軽度の学習障害がある。一方、男性の主要な表現型として、重度新生児脳症や躁鬱病、錐体路症状、パーキンソン症状、巨睾丸を主徴とするPPM−X症候群がある。

古典型レット症候群は、女児にみられる進行性発達障害であり、生後6ヶ月から18ヶ月までは精神運動発達は一見正常であるが、短期間で発達が停止し、その後言語と運動の能力が急速に退行し、安定期に入る。このような急激な退行の間、手に定型的な反復動作が現れ、必要な手の動きができなくなる。このほかの症状としては、叫び声、悲しげに聞こえる泣き声、自閉症的症状、突発的な攻撃、歯ぎしり、周期的な無呼吸発作や過呼吸発作、失調性歩行、失行、振戦、けいれん発作、後天的な小頭症(生後の頭囲増大低下)などがある。

非定型レット症候群は、MECP2遺伝子変異が同定できるようになり、患者の数が増加した。これらの患者の存在は臨床的に疑われていたが、アンジェルマン症候群の遺伝子検査では陰性で、硬直や振戦伴う精神遅滞や軽度の学習障害と診断されたり、まれには自閉症と診断されていた。

重症新生児脳症は2歳までに死亡し、MECP2遺伝子変異を有する男性に共通の表現型である。

診断・検査 

MECP2遺伝子-関連疾患の診断はすべて分子遺伝学検査による。MECP2遺伝子のエキソン(exon)ごとの解析、同時多数エキソン解析、全遺伝子領域における欠失探索、塩基配列決定法や欠失探索法に基づく遺伝子検査が臨床診断目的で施行されている。古典型レット症候群の診断は臨床診断基準によってもなされている。

臨床的マネジメント 

治療:治療は対症的で多角的になされる。これには家族への精神的支援も含まれる。リスペリドン(Risperidone)は興奮や不安症状に、メラトニン(Melatonin)は睡眠障害の改善に有効なことがある。けいれん発作や便秘.食道胃逆流、側弯、痙性に対しては、それぞれ一般的な治療を行う。

検査:多職種からなるチームによる定期的な患者家族への関わりが必要である。QT延長の可能性があるので、心電図による評価を定期的に行う必要がある。側弯についても、定期的評価が必要である。禁忌:QT延長をきたす可能性のある薬物。

遺伝カウンセリング 

MECP2遺伝子-関連疾患はX連鎖性に遺伝する。99%以上は孤発例で(すなわち、一家族内で一例の患者)、患者のみに変異が見られる突然変異(de novo mutation)に起因する。体細胞あるいは胚細胞の病的変異モザイクを持つ親からの遺伝の場合もある。まれに、MECP2遺伝子変異を母親保因者から遺伝することがある。この場合、母親はX染色体不活化が正常側に偏って生じており、症状が軽いか現れない。母親が保因者である場合、その変異が子どもに遺伝する確率は50%である。同一家族内にMECP2遺伝子変異がみつかった場合には、出生前診断は一つの方法となる。胚細胞のモザイク変異の可能性がある場合は、片親に病的遺伝子変異が見いだせなくてもMECP2遺伝子-関連疾患の児がいる場合には出生前診断をする意義はある。


診断

臨床診断

ECP2遺伝子-関連疾患の臨床スペクトラムは、女児の古典型レット症候群、レット症候群の亜型、軽度学習障害、男児の新生児脳症、症候性あるいは非症候性精神遅滞を含む。

古典的レット症候群 レット症候群の責任遺伝子が同定される以前の1988年に、臨床診断基準が作られた。これに基づいたレット症候群の臨床診断には以下のような限界がある。

  • 2歳から5歳までは臨床診断では診断を確定することができない。またこの時期までに、レット症候群のいくつかの段階(主要症状を観察できる期間)を過ぎてしまい、見落としが生じうる。
  • 古典型(典型的な)レット症候群より軽症あるいは重症な非典型例が見逃される可能性がある。
    • 重症例では、正常な発達がない、あるいは臨床経過の早期に先天性の筋緊張低下や点頭てんかんを呈する。
    • 軽症例では、劇的な退行がほとんどない、あるいは精神遅滞が軽度である。
    • 3歳以降に退行が始まったり、合目的的手操作がなくなったり、てんかんを呈するが、いくつかの言語を獲得したり、歩行が可能になったりする症例もいる [Zappella et al 1998] 。

最近、診断基準が修正され、古典型レット症候群(表1)とレット症候群の亜型(表2)に分けて分類されている [Hagberg et al 2002] 。

表1 古典型レット症候群:改正診断基準

 

診断基準

必須事項

胎生期から周産期にかけては正常

生後6ヶ月までは正常発達

出生時の頭囲は正常

生後、ほとんどの症例で頭囲の成長が遅くなる

生後6ヶ月から2歳6ヶ月までに合目的的な手の動きが出来なくなる

手の常同運動

社会性、コミュニケーション機能、獲得していた言語、知的能力の喪失

ロコモーション(四肢の協調運動)の退行あるいは喪失

補助事項

覚醒時の呼吸運動の異常

歯ぎしり

乳児期早期からの睡眠パターンの障害

筋萎縮、ジストニア(筋肉の緊張程度の異常)を伴う筋緊張の異常

末梢性血管運動障害

進行性側彎、後彎

成長障害

発育不良で、 小さくて、冷たい手足

除外項目

臓器肥大を含む蓄積症

白内障、網膜症、視神経萎縮

周産期あるいは生後の脳障害

代謝性疾患、神経変性症

頭部外傷や感染症による神経学的後障害

表2 レット症候群の亜型:推奨診断基準

 

臨床症状

基準

6主項目のうち3項目以上

11補足項目のうち5項目以上

主項目

獲得した手操作能の減弱あるいは欠如

言語機能の低下あるいは欠如(喃語も含む)

手の常同運動

コミュニケーション機能の低下あるいは欠如

早期からの頭囲成長の遅れ

一旦退行した後に意思の疎通が回復する経過

補足項目

不規則な呼吸運動

異常な挺舌や呑気

歯ぎしり

異常なロコモーション運動

後弯または側弯

下肢の筋萎縮

冷たく、紫色で、通常発育が悪い足

夜間叫び声をあげる、などの睡眠障害

突然の叫び声や笑い声

痛覚鈍間

強いアイコンタクト、または一点凝視

分子遺伝学的検査

GeneReviewsは、GeneTests Laboratory Directoryに登録されているアメリカ合衆国認証検査機関および外国の検査機関が提供する遺伝子検査を掲載している。GeneTestsは各機関の情報の更新やライセンス等を保証していない。直接、研究・検査機関に問い合わせてください。

遺伝子 

MECP2は、MECP2遺伝子-関連疾患に関係している唯一の遺伝子である

臨床検査

  • 遺伝子配列解析/変異スキャン解析 両方向のDNAシーケンス(塩基配列決定)法あるいは変異スキャン(例えばDHPLC法)による、MECP2の全エキソンの配列決定により、古典型レット症候群の約80% [Fukuda et al 2005, Li et al 2007, Zahorakova et al 2007] に、非古典型レット症候群の40% [Kammoun et al 2004, Fukuda et al 2005, Li et al 2007] に病的変異が見いだされる。
  • 欠失/重複解析 遺伝子配列解析で変異がみつからなかった古典型レット症候群患者の30%に[Archer et al 2006, Pan et al 2006, Zahorakova et al 2007]、また非古典型レット症候群の7%に[Laccone et al 2004, Archer et al 2006]、単一エキソンの欠失・複数のエキソンにまたがる欠失・全MECP2遺伝子領域の欠失のいずれかが見いだされる。 総じて大きな遺伝子欠失は、古典型レット症候群の約8%、非古典型レット症候群の約3%、にそれぞれ見いだされる。表3にレット症候群の遺伝子検査のまとめを示す。

表3 MECP2-関連疾患の遺伝子検査

遺伝子

検査方法

同定可能な遺伝子変異

遺伝子変異と臨床型

検査の有効性

古典的レット症候群

非古典型レット症候群

その他

MECP2

遺伝子配列解析/ 変異スキャン解析1

遺伝子配列の変化2

80%

40%

下欄4参照

臨床診断

欠失/重複解析3 部分あるいは全遺伝子領域の欠失 8% 3% 下欄5参照
  1. 全エクソンとイントロン-エクソン境界のシーケンス解析は、変異スキャン解析と同等の解像度が期待できる。
  2. ゲノムのシーケンス解析は女児のX染色体にあるMECP2のエクソンあるいは全遺伝子の欠失を正確に判定できない。しかし、男児では、遺伝子配列解析に先だって行うPCR反応で増幅できない場合は、MECP2のエクソンあるいは全遺伝子の欠失を疑う。確定するには、欠失解析が必要である。
  3. ゲノムのシーケンス解析によって検出されなかった場合に行う欠失/重複の検査。具体的には、定量PCR法、リアルタイムPCR法、Multiplex ligation-dependent probe amplification (MLPA)法、アレイCGH法がある
  4. MECP2遺伝子の配列変化に伴う他の病型としては以下のようなものがある。非定型精神遅滞:0.5% [Donzel-Javouhey et al 2006, Moog et al 2006, Campos et al 2007, Lesca et al 2007]、自閉症:0.3%以下 [Coutinho et al 2007, Wong & Li 2007, Xi et al 2007]、アンジェルマン症候群1.5%以下 [Hitchins et al 2004, Kleefstra et al 2004, Ylisaukko-Oja et al 2005]、男児の新生児重症脳症:頻度不明
  5. MECP2遺伝子の重複に伴う他の病型としては以下のようなものがある。男児の重度精神遅滞:2.5%以下 [Van Esch et al 2005, Lugtenberg et al 2006, Lugtenberg et al 2009]、X−連鎖性精神遅滞:1%以下 [Lugtenberg et al 2009]、女児の重症脳症:まれ [Lugtenberg et al 2009]。

検査結果の解釈

シーケンス解析によって得られた結果の解釈のしかたについては、ここをクリック
(クリックした後に出てくる文の和訳は以下の通り)

補遺:シーケンス解析の結果の解釈

遺伝子変異が同定された際の解釈1

  • 文献的に報告されている病因となる変異
  • 病因が疑われるが、文献的に報告がない変異
  • 臨床的意義がはっきりしない未知の変異2
  • 病因性のないことが予測されるが、文献的に報告がない変異
  • 文献的に報告されている病因性のない変異

遺伝子変異が同定されなかった際の解釈

  • 検査した遺伝子に変異を持っていない(すなわち、他の遺伝子に変異がある)。
  • 遺伝子配列解析では検出できない変異を持っている(すなわち、大きな欠失やスプライスサイ トの欠失)
  • 検査で、調べられていない領域(すなわち、イントロンや制御領域)に変異を持っている。
  1. ACMG Recommendations for Standards for Interpretation of Sequence Variations (2000)による。
  2. この遺伝子変異は、家系内に臨床症状の集積がある場合には有用である。
  • 遺伝子配列の変異が病的かどうか分からない場合、両親にその変異があるかどうかを調べることで解決できる場合がある。

検査手順

発端者の診断 MECP2の遺伝子異常の検査は、エキソン3と4の遺伝子配列解析あるいは変異スキャン解析ではじめ、次に欠失解析を行う。遺伝子変異が同定できなければ、エキソン1の解析を行った方が良い。

家族の保因者検査 発端者で病因となる遺伝子変異が判明した場合、症状の如何に関わらず家系内の第1近親女性すべてを検査するのが望ましい。また、神経症状や発達に異常がある家系内の第1近親男性も検査するのが望ましい。

出生前診断および着床前診断は、家系内に病因となる遺伝子変異の存在が前もって判明している場合に、必要とされうる。

遺伝学的に関連する疾患

 MECP2重複症候群は、乳児低筋緊張、重度精神遅滞、言語能力の無獲得、進行性痙性運動障害、繰り返す呼吸器感染症、てんかんといった症状を呈する、MECP2遺伝子を含む0.3から2.3Mbの大きさのゲノム領域の重複を原因とする疾患である [Van Esch et al 2005, Friez et al 2006] 。


臨床像

自然経過

MECP2遺伝子-関連疾患には、女児においては古典型レット症候群、レット症候群の亜型、軽度学習障害、男児においては新生児脳症や精神遅滞がある。46,XYの核型を有する男児でも、MECP2遺伝子変異を有することがある[Orrico et al 2000, Villard et al 2000, Masuyama et al 2005] 。

古典型レット症候群

古典型レット症候群の多くは女児である。しかし、47,XXYの核型を有する男児 [Hoffbuhr et al 2001, Leonard et al 2001, Schwartzman et al 2001] や受精後の体細胞モザイク変異の男児 [Clayton-Smith et al 2000, Topcu et al 2002] に、古典型レット症候群の診断基準が合致する症例もある。

神経学的徴候 本症の罹患女児は、通常、正常に出生し、新生児期を過ごすし、生後6ヶ月から18ヶ月までは一見正常に発達する。しかし、振り返ってみると、ほとんどの患者は乳児期早期に、手がかからない、哺乳が弱い、泣き声が小さいといった何らかの異常を有している [Burford 2005, Einspieler et al 2005]。

頭囲の成長は生後3ヶ月頃より見られなくなる。脳の大きさは正常より30%以上も小さくなることがある。しかし、小頭症の症状がすべてのレット症候群の罹患児にみられるわけではない。Oezleら [2005] は、MECP2遺伝子変異を有し、精神遅滞、てんかんと、大頭症の症状を呈した成人女性例を報告している。

罹患女児は、短期間の発達停止状態を認めたのち、言語機能や運動機能の急激な退行を呈する。古典型レット症候群に特徴的なのは、合目的的手運動機能が消失し、反復する手の常同運動が現れることである。多くの患者は、生後18ヶ月から24ヶ月に発作的な奇声や悲しげな泣きを見せる。これらに加えて、自閉的行動、パニック様発作、歯ぎしり、無呼吸や多呼吸、てんかん、失調性歩行、振戦が特徴的に現れる。このような急激な退行現象のあと、神経学的異常は安定期に入る。ただし、罹患女児は、年齢と経るとともに、ジストニア症状や手足の変形を呈するようになる。

てんかんは、女児のレット症候群の90%に報告されており、その多くは全身性強直性間代性けいれんと複雑部分発作である [Steffenburg et al 2001]。他の発作型としては、間代性部分発作、偏頭・偏視、あるいは無呼吸発作がある [Glaze et al 1998]。てんかん発作は、症状安定期に入ると増加し、その後、運動機能の退行期になると減少する。これらの発作において、必ずしも、脳波上、てんかん発作波が認められない場合もある。また、罹患女児が脳波異常を伴うてんかん発作を呈しても、これが発作だと両親が気づかない場合もある [Glaze 2005]。

レット症候群患児に共通の脳波異常が存在するが、これはレット症候群特有というわけでなく、脳波所見で本症が診断できるわけではない。そうはいっても、本疾患の早期にみられる、睡眠時の棘徐派複合を含む後頭葉優位の徐波リズムと背景脳波の徐波化は、本症の診断に役に立つ。退行期には、後頭葉優位の徐波リズムがなくなり、背景脳波の徐波化はさらに進み、非REM期の特徴がなくなる。シータ波やデルタ波が顕著になり、多巣性棘徐派複合の発作波を伴う。また、ビデオ/脳波モニタリングにより、無呼吸発作や過換気発作、笑い声をあげたり、奇声を発したり、うつろで凝視した発作が観察されることがある。脳波上、局所的にみられる発作波は、間代性部分発作、偏頭・偏視、無呼吸発作に関連していることがある。全般性の発作波は、失神発作や屈筋発作においてしばしば観察される。

古典型レット症候群の他の徴候

  • 成長障害ややせが古典型レット症候群の女児の85〜90%にみられ [Motil et al 1998]、口腔咽頭、胃食道の協調運動の機能不全が原因で食事摂取が低下することによると考えられている [Motil et al 1999]。
  • 腸管機能不全、便秘、機能的巨大結腸はよくみられる。極端な症例では、便嵌入、腸捻転、腸重積がおこる。
  • 胆のうの機能低下、レット症候群では年齢対象に比して高頻度に胆石がみられる [Percy & Lane 2005, International Rett Syndrome Association]。
  • 間欠的にみられる内斜視がよく観察される。
  • 血管運動障害もしばしばみられる(特に下肢)。
  • 側弯は、レット症候群の80%以上の患者が25歳までに呈する症状である。
  • 骨減少症は、年少の女児を含む20歳以下のレット症候群罹患女性の74%以上にみられる症状である [Leonard et al 1999]。骨密度の低下に伴って、骨折の危険が増大する [Budden & Gunness 2001]。歩行可能な患者は、そうでない患者より骨密度は良好である [Cepollaro et al 2001]。

古典型レット症候群の予後 レット症候群の罹患女児の多くは成人に達する。しかし、突然の予期せぬ死の頻度は、同年代の女性より有意に高い [Kerr & Julu 1999]。この原因は、レット症候群に高頻度にみられるQT延長、異常T-波、心拍数の変動率の低下などによるものと考えられている [Guideri et al 1999]。

レット症候群の亜型

HagbergとGillberg [1993] は、5例のレット症候群の亜型あるいは非古典型を報告した。

  • 一つの型は、一見古典型レット症候群の女児であるが、てんかんが優位で発症が生後6ヶ月以前であった。(註)MECP2遺伝子検査で異常がなかった同様の症状を呈する患者にCDKL5の遺伝子変異がみつかっている [Tao et al 2004, Weaving et al 2004, Evans et al 2005a, Scala et al 2005]。
  • 先天型あるいは早発型レット症候群は、臨床経過は古典型と同じであるが、明らかな退行はない。MECP2遺伝子検査で異常がなかった同様の症状を呈する患者にFOXG1の遺伝子変異がみつかっている [Ariani et al 2008]。
  • 古典型より退行が遅く、進行が緩徐な型。
  • 「不全型」レット症候群は、軽症かつ不完全で、ゆっくりした臨床経過を辿る。退行時期は1〜3歳ごろと遅く、古典型ほど重度ではなく、手の常同運動は軽症あるいは非定型的であり、手の動作は保たれている場合もある。
  • 言語能力維持亜型(preserved speech variant)では、MECP2遺伝子のArg133Cys変異が高頻度にみられる。

MECP2遺伝子の変異は、臨床的にアンジェルマン症候群が疑われるが分子遺伝学的には確定していない患者に見いだされることがある。このような症例では、(アンジェルマン症候群では普通認められない)退行がみられる。当初、染色体15q11.2-13領域の分子遺伝学的異常がない臨床的アンジェルマン症候群患者の10%以上にMECP2遺伝子変異がみられるとされていたが、最近の研究から約1.5%であることが判明した [Hitchins et al 2004, Kleefstra et al 2004, Ylisaukko-Oja et al 2005]。

女性にみられる他の臨床症状

まれではあるが、MECP2遺伝子変異は女性の軽度学習障害者にみられることがある [Orrico et al 2000]。

MECP2遺伝子変異は、ごく少数、極端に偏ったX染色体不活化パターンを有する無症状の女性にみられることもある [Wan et al 1999, Amir et al 2000]。

新生児脳症

男性のMECP2遺伝子変異はまれであるが、最も多いのはいわゆる小頭症を伴う重症新生児脳症である。代謝性の変性疾患患者の様に、筋緊張の異常、不随意運動、重症てんかんや呼吸運動異常(中枢性低換気や呼吸不全など)を呈する最重症の臨床病型である [Wan et al 1999, Villard et al 2000, Zeev et al 2002, Kankirawatana et al 2006]。このようなMECP2遺伝子変異に起因する重症新生児脳症男児は、2歳に達する以前に死亡する [Schanen et al 1998, Wan et al 1999]。
この重度な脳症は、まれに女児にもみられる [Lugtenberg et al 2009]。

X連鎖性精神遅滞(PPM-X症候群など)

MECP2遺伝子変異が、X連鎖性精神遅滞を示す家系内に見いだされることがある。この精神遅滞は、女児では軽度で非進行性であるが男児では重度で、躁鬱(psychosis)、錐体路症状(pyramidal signs)、パーキンソン症状(pakisonian features)、巨睾丸(macroorchidism)(いわゆるPPM-X症候群)を呈する [Dotti et al 2002, Klauck et al 2002, Gomot et al 2003]。罹患男児は、通常、重度な知的障害、安静時振戦、動作緩慢、運動失調を呈するが、てんかんや小頭症は認められない。また、頭部MRIや脳波、筋電図、末梢神経伝導速度は正常である。

遺伝子型と臨床型の関連

 遺伝子変異型と表現型の関連研究により、両者の関連性はあまりないとの理解に達している。

Cheadle et al [2000] と Huppke et al [2000] は、同じ遺伝子変異を持つ、異なる臨床症状の多数の患者を報告し、遺伝子変異以外の要因が臨床的重症度に影響している、と報告している。この要因の一つが、X染色体不活化(XCI)である。具体的には、ある変異を有する女性が良い方に偏ったXCIパターンを有すると、軽症か無症状となる [Wan et al 1999, Amir et al 2000]。

Weaving et al [2003] は、臨床的重症度は、遺伝子変異のタイプ(ミスセンス変異か翻訳停止型変異)、遺伝子内の変異の場所(特に、機能ドメインの内部に位置するなど)、およびX染色体不活化(XCI)のパターンに、ある程度依存していると報告している [Weaving et al 2003]。同様の報告は、Chae et al [2004] やSchanen et al [2004] 、Charman et al [2005] からもなされている。

Ala140Valのような、いくつかのアミノ酸置換の変異(missense mutations)はMECP2蛋白質の活性化が維持されるので、男児では精神遅滞の原因となるが、女児では、ごく軽度の認知障害をきたす程度となる [Dotti et al 2002, Klauck et al 2002, Gomot et al 2003]。

Leonard et al [2003] は、Arg133Cysの遺伝子変異を持つ患者は、細胞実験でArg133Cys変異がDNAへの結合に影響をもたらさないことから、通常より軽症であるとしている。

Amir et al [2000] は、ミスセンス変異では側弯が多いのに対し、翻訳停止型変異では呼吸異常が多いことを報告している。全体として、重症度や他のパラメーター(発症年齢、死亡率、てんかん、成長障害)には遺伝子変異の種類と相関がない。

Cheadle et al [2000] は、ミスセンス変異患者は翻訳停止型変異患者より有意に軽症であると報告している。さらに、転写領域の3’末端の翻訳停止型変異は5’末端のそれより軽症であることも報告している。

浸透率 

 ときに、発症原因となるMECP2遺伝子変異のヘテロ接合体である女性が神経学的症状を全く呈していない例がある。これは、極端に偏ったX染色体不活化による。

病名

 初め、レット症候群の診断基準をすべて満たす女性を典型的あるいは古典型レット症候群として分類された。その後の症例の蓄積により、MECP2遺伝子変異を持つ女性は、軽症または重症を呈するレット症候群の亜型のように、最初に記載された古典型レット症候群より広範な症状を呈することが分かってきた。

頻度 

 女児のレット症候群の罹患率は、15歳までの女児の1:8,500と想定されている [Laurvick et al 2006]。

鑑別診断

アンジェルマン症候群(AS)は、精神遅滞、重度な言語障害、失調歩行、四肢の振戦、意味をもたない幸せそうな笑い動作、に特徴づけられる。小頭症とてんかんもよくみられる。発達の遅れは生後6ヶ月頃に最初に気づかれ、1歳を過ぎてからASに特徴的な症状があらわれる。退行の有無が、レット症候群の亜型とASとの鑑別に臨床上有用である。先天性あるいは早期のてんかん発症を伴うレット症候群患者を除き、レット症候群の亜型より、てんかんのコントロールが難しいことが多い。

染色体15q11.2-q13領域における親特異的DNAメチル化に基づくインプリンティング解析で、ASの約78%に異常がみつかる。その内訳は、欠失、片親ダイソミー、インプリンティング変異である。さらに、UBE3A遺伝子解析により、約11%に遺伝子変異がみつかる。残りの典型的なAS症状を呈する患者の10%においてはまだ遺伝子異常がみつかっていない。Watson et al [2001] は、臨床的にASと診断されたが染色体15q11.2-13領域に異常のない25名の女性患者のうち4名に、22名の男性患者のうち1名にMECP2遺伝子変異をみつけている。この5名のうち3名は、診断後、ASというよりも、典型的なレット症候群の亜型の症状を呈するようになった。

CDKL5遺伝子変異 この遺伝子はX染色体上にあり、cyclin dependent-like kinase 5をコードしており、その変異がレット症候群様の症状の患者に見つかっている。CDKL5遺伝子変異を有する全例が、レット症候群の早期発症てんかん型の亜型(いわゆるHanefieldバリアント)である [Tao et al 2004, Weaving et al 2004, Evans et al 2005a, Scala et al 2005, Bahi-Buisson et al 2008]。しかし、この遺伝子の変異を有する患者は、レット症候群様の症状を呈する患者の少数にすぎない。認知発達障害を有する早期発症てんかんの女性例に多く、レット症候群様の症状の患者には少ない [Archer et al 2006, Bahi-Buisson et al 2008]。また、重度な知的障害と早期発症の難治性てんかんを呈する男性患者にもみられる [Elia et al 2008]。

脳性麻痺は、年齢の高いレット症候群や男性の痙性麻痺、重度なるいそう(痩せ)、知的障害を呈する患者では疑われる。幼小児期の詳しい発達歴を改正された診断基準 [Hagberg et al 2002] に照らし合わせ、MECP2遺伝子検査することによって、正確な診断が可能となる。

自閉症。レット症候群の患者、特に小頭症、てんかん、側彎や後彎を伴わない場合には、自閉症と診断されることがある。しかし、MECP2遺伝子変異があれば、自閉症を否定できる [Lobo-Menendez et al 2003, Coutinho et al 2007, Wong & Li 2007, Xi et al 2007]。「自閉症(Autism)」を参照。

MECP2遺伝子-関連疾患は、男児では新生児脳症や重度の筋緊張低下、およびX連鎖性精神遅滞の家族歴を持つ患者の場合には考慮しなければならない。

臨床的マネジメント

最初の診断に続いて行なう評価

患者の疾患をより把握するために、MECP2遺伝子-関連疾患の診断後、次の項目の評価を考慮する必要がある。

  • 定まった様式による発達評価
  • 栄養摂取/摂食、食事の消化障害(便秘や胃・食道逆流現象など)、これまでの食事や栄養状態、身体測定、必要に応じて胃腸検査、の各評価
  • 睡眠、呼吸異常の病歴
  • てんかんおよび抗てんかん薬のビデオ/脳波モニタリングの評価
  • 心電図・ホルター心電図でのQTc延長の有無の検索
  • 適切な治療法のための脳幹の自律神経機能障害の評価 [Julu et al 2001, Julu & Witt Engerstro¨m 2005]。
  • 側彎の検査

病変に対する治療

 治療方法は、個々の患者の持つ問題点と必要性に応じて異なる。
 治療・医学的管理は、主に対症的で、各患者の症状に応じて栄養学、理学療法、作業療法、言語療法、音楽療法といった専門家を巻き込んだ多領域のアプローチを行う [Lotan et al 2004, Weaving et al 2005]。

家族に対する精神的、社会的支援は、患者管理の上で重要な一つである。

治療の一環として、乗馬、水泳、音楽療法の有効性が報告されている。

重症な患者には、拡大コミュニケーション法などの効果的なコミュニケーションの方法を探る必要がある [Ryan et al 2004]。

てんかんの治療は、小児神経科専門医の介在により個々の患者にあった治療が求められる。トピラメート(Topiramate)は、てんかん発作のコントロールに有効なだけでなく、呼吸の異常も改善することがある [Goyal et al 2004]。

低用量リスペリドン(Risperidone)や選択的セロトニン取り込み阻害剤(selective serotonin uptake inhibitors)が、精神障害(興奮・不安)に有効なことがある。

メラトニン(melatonin)が睡眠障害を改善させることがある [McArthur & Budden 1998]。またメラトニン(melatonin)に、抱水クロラール(Chloral hydrate)、ヒドロキシジン(hydroxydine)、ジフェンヒドラミン(diphenhydramine)を併用することがある。

高栄養液(ample fluid)や高繊維食(high-fiber diet)は急性消化管通過障害の予防に有効である。 食事療法の効果がない場合には、ミラレックス(miralex; polyethylene glycol)や他の便軟化剤を便秘のコントロールに用いる。これらは、マグネシウム・ミルク(milk of magnesia)より使いやすい。

逆流防止剤(anti-reflux agents)や小さくきざんでとろみをつけての食事、体位改善によって胃・食道逆流を減らせる可能性がある。

側弯 [Kerr et al 2003] や痙性は移動能を維持する上で重要である。

 QTc延長である患者には、β-ブロッカーやペースメーカーが有効であることがある。その際には、小児循環器科専門医への相談が必要である。

二次病変の予防

 骨減少症は、細心の栄養管理で避けることが出来る。特にカルシウム摂取には注意が必要である。

経過観察

次の検査が求められる。

  • 多領域にわたるチームによる定期的な検査。特に留意することが必要な合併症は、成長、栄養摂取、歯科、消化管機能、運動機能、コミュニケーション機能、手運動機能、整形外科、神経系、の各合併症である。
  • QTc延長をスクリーニングするための定期的な心電図検査。
  • 側弯の進行をみるための定期的な検査。

回避すべき薬物や環境

レット症候群の患者は、QTc延長に伴う生命を脅かす不整脈が高い危険率で発生するため、次の様なQT間隔を延長する様な薬剤は避ける。

  • プロキナーゼ剤(Prokinetic agents)(例えば、cisapride)
  • 抗精神病薬(Antipsychotics)(例えば、thioridazine)、三環系抗うつ剤(tricyclic antidepressants)(例えば、imipramine)
  • 抗不整脈剤(Antiarrhythmics)(例えば、quinidine、sotolol、amiodarone)
  • 麻酔剤(Anesthetic agents)(例えば、thiopental、succinylcholine)
  • 抗生物質(Antibiotics)(例えば、erythromycin、ketoconazole)

リスクのある親族の検査

遺伝カウンセリングを目的とする本症の遺伝が想定される家族に対する検査については、遺伝カウンセリングの項を参照。

研究中の治療法

臨床研究に関する情報は、ClinicalTrials.govを参照。(註)本疾患に関する臨床治験は今のところないであろう。

その他

L-カルニチン(L-carnitine)は、二重盲検検査(double-blind trial)をされた。親や看護にあたったものからは、レット症候群の症状全般的に改善が報告されたが [Ellaway et al 1999]、有意な機能の改善はみられなかった。

カルビドーパ(carbidopa)/レボドーパ(levodopa)は、レット症候群にみられる強直に対する治療が試みられたが、有効性を証明するには至っていない。

レット症候群の4名の女性に髄液中葉酸値の低下が報告され [Ramaekers et al 2003]、Neulらは、76名のレット症候群患者の髄液を調べたが、髄液中葉酸値の低下を再現することが出来なかった。さらに、葉酸の補給が、何ら臨床的改善をもたらさなかったとしている [Neul et al 2005]。したがって、脳内葉酸の欠損がレット症候群の病態に関与しているかは今のところ不明である。

レット症候群の患者の髄液中でオピオイド濃度が高いことから、経口抗オピオイド剤(ナルトレキソン;naltrexone)が試みられた。ナルトレキソンは不規則な呼吸を減らし、鎮静効果があったが、その効果は結論を得ていない。

遺伝医療の専門家によってなされる遺伝子診療を実施することにより、患者とその家族は、病歴や治療歴、遺伝形式、家族への遺伝の危険性に関する情報や疾患特有の利用可能な情報を知ることができる。Genetests Clinic Directoryを参照のこと。

本疾患に対する疾患特異的な支援団体や関連団体については、Consumer resourcesの項を参照のこと。これらの団体は、患者や家族に、情報や支援、他の患者との繋がり形成支援などのために設立された。

遺伝カウンセリング

「遺伝カウンセリングは個人や家族に対して遺伝性疾患の本質,遺伝,健康上の影響などの情報を提供し,彼らが医療上あるいは個人的な決断を下すのを援助するプロセスである.以下の項目では遺伝的なリスク評価や家族の遺伝学的状況を明らかにするための家族歴の評価,遺伝子検査について論じる.この項は個々の当事者が直面しうる個人的あるいは文化的な問題に言及しようと意図するものではないし,遺伝専門家へのコンサルトの代用となるものでもない.」

遺伝形式

MECP2遺伝子-関連疾患は、X連鎖性の遺伝である。

患者家族のリスク

発端者の両親

女性が発端者である場合の両親への遺伝の可能性

  • 約99.5%が単発例である。これは、MECP2遺伝子-関連疾患を持つ児が新生突然変異(de novo mutation)例であるか、遺伝子変異細胞を含む性腺モザイク(germline mosaicism)を有する親からの遺伝によるためである。発端者に病因遺伝子変異がみつかった場合、変異MECP2の由来を調べる意味で母親あるいは両親に遺伝子検査を行うことは適当である。
  • 母親が、MECP2遺伝子変異を持っている場合には、その母親は好ましい方、つまり症状がないか軽症な方向にX染色体不活化が偏っているはずである。

男性が発端者である場合の両親への遺伝の可能性

  • 父親は、MECP2遺伝子-関連疾患でも、MECP2遺伝子変異を持つキャリアーでもない。
  • 発端者に病因となるMECP2遺伝子変異がみつかった場合には、母親に遺伝子検査を行うのが適当である。

母親が、MECP2遺伝子変異を持っている場合には、その母親は好ましい方、つまり症状がないか軽症な方向にX染色体不活化が偏っているはずである。

発端者の同胞 

  • 兄弟への遺伝性は、両親がMECP2遺伝子変異を持つかどうかによる。
  • 患者の母親に患者と同じMECP2遺伝子変異がみつかった場合、他の兄弟へMECP2遺伝子変異が伝わる確率は50%である。

両親にMECP2遺伝子変異がみつからない場合には、兄弟への遺伝の確率は低い。しかし、どちらかの親の白血球由来DNAに発端者にみつかった病因となるMECP2遺伝子変異がみつからなくても、胚細胞モザイク(germline mosaicism)は否定できない。胚細胞モザイク(germline mosaicism)はいくつかの報告がある [Amir et al 1999, Zeev et al 2002, Mari et al 2005]。

女性発端者の子 

  • MECP2遺伝子関連疾患の患者の子供は、その遺伝子変異を50%の確率で引き継ぐ。古典型レット症候群患者が子どもをもつことはないが、軽症女性例ではありえる。
  • MECP2遺伝子変異を受け継いだ女性は、高率にレット症候群になるが、X染色体不活化により症状はさまざまである。
  • MECP2遺伝子変異を受け継いだ男性は、重症新生児脳症になるか、1歳以上生存した際にはほとんどの場合、重症精神遅滞になる。

男性発端者の子 

MECP2遺伝子変異を持った男性が子供を持つ例は知られていない。

発端者の他の家族 

発端者以外の家族内発症の危険性は、発端者の母親の遺伝子による。母親が患者であったり、MECP2遺伝子変異を有する場合は、家族内での発症の可能性がある。

遺伝カウンセリングに関連した問題

他の多くの遺伝病と同じように、家族内のMECP2遺伝子-関連疾患の診断は、それまでは気づかれていなかった母親や他の家族の評価と診断によってなされるが、これは容易ではない。自分たちは健康だと思っていることや子供の病気に責任を感じているからである。このような事態は、十分予見される。

 古典型レット症候群の女児の姉妹が一見症状がなくても、患児と同じMECP2遺伝子変異を持っていることがある。ほとんど全く症状がないのはX染色体不活化の隔たりによる。症状がない姉妹がその子供に病因となるMECP2遺伝子変異を遺伝させてしまう危険があり、遺伝カウンセリングはこのような可能性を導くのに必要となる。

家族計画 

  • 遺伝の危険性がはっきりさせる時期と出生前診断の可能性についての検討を行う最適な時期は妊娠前である。
  • 軽い臨床症状がみられたり、MECP2遺伝子変異を有する可能性のある若者に遺伝カウンセリング(子への遺伝の可能性や生殖技術の選択を含む)を行うことは意味がある。

DNAバンキング 

DNAバンクは、将来の利用のためにDNA(ほとんどの場合、白血球から抽出したDNA)を保管している。将来、検査方法の進展や遺伝子、遺伝子変異、病気の理解が進むであるゆえに、患者のDNAを保管・蓄積することは重要である。DNAバンクの重要性は、現在行われている検査方法が100%の診断感度を得ていないということに特に関係している。DNAバンクを提供している研究機関を参照。

出生前診断

出生前診断は分子遺伝学的検査の項で述べた方法を用いて,技術的には可能である.DNAは胎生16−18週に採取した羊水中細胞や10−12週*に採取した絨毛から調製する.出生前診断を行う以前に,罹患している家族において病因となる遺伝子変異が同定されている必要がある.

注:胎生週数は最終月経の開始日あるいは超音波検査による測定に基づいて計算される.

訳注:日本では、本症に対する出生前診断は行われていない.


更新履歴

  1. 日本語訳者 :和田敬仁(信州大学医学部社会予防医学講座遺伝医学分野)
    GeneReview 最終更新日: 2002.10.3. 日本語訳最終更新日 : 2003.8.21. (entried posting "Rett Syndrome")
  2. GeneReview 著者 :Vicky L Brandt ;Huda YZoghbi , MD
    .日本語訳者 :和田敬仁(信州大学医学部社会予防医学講座遺伝医学分野)
    GeneReview 最終更新日: 2004.02.11. 日本語訳最終更新日 : 2006.1.18. (entried posting "Rett Syndrome")
  3. Gene Review著者: John Christodoulou, MBBS, PhD, FRACP, FRCPA, FHGSA, Gladys Ho, BSc, MSc
    日本語訳者: 伊藤雅之(国立精神神経センター神経研究所疾病研究第2部)、
    久保田健夫(山梨大学大学院医学工学研究科環境遺伝医学講座)
    Gene Review 最終更新日: 2009.4.2. 日本語訳最終更新日: 2010.3.3.
    ( in present)

原文 MECP2-Related Disorders

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