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PRSS1関連遺伝性膵炎
(PRSS1-Related Hereditary Pancreatitis)

Gene Reviews著者: Sheila Solomon, MS, CGC, David C Whitcomb, MD, PhD, and Jessica LaRusch, PhD.
日本語訳者: 和田宏来(県西総合病院小児科/筑波大学大学院小児科)                        

Gene Reviews 最終更新日:2012.3.1.日本語訳最終更新日: 2017.5.10

原文 PRSS1-Related Hereditary Pancreatitis


要約

疾患の特徴 

PRSS1関連遺伝性膵炎は、急性(突然に発症し期間は6か月未満)から急性再発性(1回を超える急性膵炎のエピソード)、そして慢性(6ヶ月を超えて持続する)に進行する膵臓の炎症を特徴とする。症状や疾患の経過は個々によりかなり異なる。平均的には、急性膵炎は10歳までに発症し、慢性膵炎は20歳までに起こる。急性膵炎の症状は、所在のはっきりしない腹痛が1~3日間続くものから重度の腹痛が数日~数週つづき入院を必要とするものまで幅広い。慢性膵炎は、典型的には反復性もしくは持続性の軽度~重度の腹痛、膵外分泌不全による消化不良、膵内分泌不全(1型糖尿病に進展する耐糖能異常)を呈する。膵癌リスクは50歳以降に上昇する。

診断・検査 

急性膵炎では以下の3つの所見のうち2つが認められる。

慢性膵炎では、膵の病理組織、腹部画像検査、膵機能検査における非可逆性変化が報告されている。PRSS1病原性変異の存在によりPRSS1関連遺伝性膵炎の診断が確定する。

臨床的マネジメント 

症候の治療:
急性膵炎:予防のために喫煙、飲酒、運動、脂質の多い食事を控え、抗酸化剤を使用する。標準的な治療は輸液、鎮痛剤、合併症のマネジメントである。

慢性膵炎:急性発作の防止策を続ける。膵機能不全で経口摂取による疼痛、脂肪便、下痢を認める患者には、消化機能の改善のため膵酵素補充療法を行う。1型糖尿病は通常の方法で行い、耐糖能異常を改善させる、および膵癌の発生率をおそらく低下させるメトホルミンの投与も行う。

一次症状の予防:
低脂肪食、少量頻回食、運動時の水分補給、抗酸化剤。

定期検査:
バイオマーカーやその他の新技術を含んだサーベイランスプログラムを紹介する。

避けるべき薬物/環境:
アルコール、喫煙、脱水、身体的および精神的なストレスを避ける。

リスクのある親族の検査:
家族特異的な生殖細胞系列PRSS1病原性変異を分子遺伝学的検査で同定することにより、早期の診断や予防、および治療が可能となる。

遺伝カウンセリング 

PRSS1関連遺伝性膵炎は常染色体優性遺伝性疾患である。PRSS1関連遺伝性膵炎のうちde novo変異が占める割合は不明である。PRSS1関連遺伝性膵炎患者の子どもが変異を受け継ぐ可能性はそれぞれ50%である。家族内で病原性変異が判明している場合、リスク妊娠に対する出生前診断を行うことは可能である。PRSS1関連遺伝性膵炎のような、知能に影響せず、治療方法がいくつか存在する疾患に対する出生前検査の要望は多くない。


診断

臨床診断

遺伝性膵炎は、家族内で2世代以上にわたる2人以上で膵炎がみられる場合、もしくは既知の生殖細胞系列病原性変異に関連する膵炎がみられる場合のいずれかと定義される。PRSS1関連遺伝性膵炎の診断にはPRSS1病原性変異の同定が必要である。

遺伝性膵炎には通常急性期と慢性期がある。

急性膵炎は以下の3つの所見のうち2つ以上がある場合と定義される。

慢性膵炎は6ヶ月を超えて膵臓の炎症が持続し、以下のうちどれか1つの非可逆的な膵臓の変化を伴うものである。

分子遺伝学的検査

遺伝子

カチオニックトリプシノーゲンをコードするPRSS1はその病原性変異がPRSS1関連遺伝性膵炎を起こすことが知られている唯一の遺伝子である。

臨床検査

表1 PRSS1関連遺伝性膵炎で用いられる分子遺伝学的検査の要約

遺伝子1 検査方法 同定された変異2 検査方法によって同定された変異の頻度3
PRSS1 シークエンス解析4, 5/変異スキャニング6 シークエンス変異 60%-100%
欠失/重複解析7 エクソンもしくは全遺伝子欠失 ≦6%
病原性変異のターゲット解析 変異パネルは検査機関により異なる 脚注8を参照
  1. 染色体座位と蛋白については、表A「遺伝子・データベース」を参照。
  2. アレル変異に関する情報については、「分子遺伝学」の項を参照。
  3. 示されている遺伝子に存在する変異の同定に用いられる検査方法の検出能。
  4. シークエンス解析で同定される病原性変異には、小さな遺伝子内欠失・挿入、ミスセンス変異、ナンセンス変異、スプライス部位変異が含まれるが、典型的にはエクソンや遺伝子全体の欠失・重複は検出できない。シークエンス解析の結果の解釈について考慮すべき問題はこちらをクリック。
  5. 一部の検査機関は選んだエクソン(エクソン2やエクソン3など)のシークエンス解析を受注しているが、エクソン2のp.AsnIle、エクソン3のp.Arg122Hisといった変異が高率にみられるからである。
  6. シークエンス解析および遺伝子全体の変異スキャニングの変異同定頻度は同等である。しかし、変異スキャニングによる同定率は用いる方法によって変わるため、検査機関でかなり異なる可能性がある。
  7. ゲノムDNAのコーディング領域や隣接するイントロン領域に対するシークエンス解析では容易に同定することのできない欠失/重複を識別する検査である。用いられる可能性のあるさまざまな方法には、定量PCR、ロングレンジPCR、MLPA(multiplex ligation-dependent probe amplification)法、標的染色体マイクロアレイ解析(遺伝子/セグメント特異的)などがある。ゲノム全域の欠失/重複を同定する完全染色体マイクロアレイ解析もこの遺伝子/セグメントを含むかもしれない。
  8. PRSS1変異の90%はp.Asn29Ileおよびp.Arg122Hisである。

検査戦略

発端者において診断を確定するために、以下の場合にPRSS1の分子遺伝学的検査が適応となる。

分子遺伝学的検査は以下のように施行する。

  1. (現在まで変異の90%に認められるエクソン2およびエクソン3の)ターゲット解析もしくはPRSS1の全コーディング領域のシークエンス解析を行う。
  2. 病原性変異が同定されない場合、欠失/重複解析を考慮する。

検査戦略に関するガイドラインは以下を参照のこと。
・Ellisら[2001](全文
・Finkら[2007](全文:登録もしくは医療機関からのアクセスが必要である)

リスクのある無症状の成人家族に対する予測的検査は、家族内の病原性変異を先に同定することが必要である。

出生前診断やリスク妊娠の着床前診断を行う際には、家族内の病原性変異を先に同定することが必要である。


臨床的特徴

臨床像

膵炎は膵臓の炎症であり、急性(突然発症で持続期間が6ヶ月未満)、反復性急性(1回を超える急性膵炎発作)、慢性(持続期間が6ヶ月を超える)に分けることができる。
症状や経過は個々の患者で差がある。平均的には(急性膵炎の)発症は10歳までに、慢性膵炎は20歳までに、膵癌は50歳から劇的に増加する。

急性膵炎 1~3日間続く所在のはっきりしない腹痛から、数日~数週つづき入院を必要とする重度の腹痛まで幅広い。

反復性急性膵炎 遺伝性膵炎による反復性急性膵炎の徴候や症状は、通常生後早期に起こることとはっきりとした誘因がないこと以外は他の原因による膵炎と同一である。PRSS1変異を有する者は、特に発症時期が遅い場合、胆石、飲酒、喫煙のような膵炎の他のリスク因子も認めることがある。注目すべきことに、遺伝性膵炎患者は少量の飲酒でさえときに疼痛や急性膵炎発作の誘因になると申告する。

遺伝性膵炎では、反復性急性膵炎は慢性膵炎に進展することがあり、ゆえに慢性膵炎への移行期とみなされる。

慢性膵炎 長期にわたる炎症により、以下のような合併症に至る。

病態生理

遺伝性膵炎の病態生理は、反復性急性膵炎や慢性膵炎の他の原因(特発性慢性膵炎など)と差がない。
以下が主要な要因である。

遺伝子型と臨床型の関連

p.Arg122His病原性変異の保有者では早期発症および重症である。

浸透率

遺伝性膵炎で報告されている浸透率には幅がある。

この差は、浸透率は遺伝的、エピジェネティック、および環境的な因子によって決定されることを示唆するが、機序は不明である。
反復性急性膵炎/慢性膵炎に進行するほとんどの患者では、20歳までに症状が出現する。

命名

いくつか例を挙げると、PRSS1関連遺伝性膵炎は、慢性石灰性膵炎、家族性膵炎、反復性(もしくは再発性)急性(もしくは慢性)膵炎と記述されている。しかし、これらは臨床診断であり、分子学的な検討はされていない。

"家族例膵炎"は、原因にかかわらず、家族内で1人を超える者で膵炎を認めた場合のことを指す。

"遺伝性膵炎"は家族性膵炎の亜型で、常染色体遺伝の形式をとり、PRSS1関連遺伝性膵炎のように単一遺伝子疾患であることが示唆される。

発生率

遺伝性膵炎の既知の家族数にもとづいた、米国における当初の推定患者数は約1000人である。
膵炎患者コホートのジェノタイピングにより、発生率は以前の推定よりも高いことが示唆されている。


遺伝学的関連(アレル)疾患

PRSS1変異と関連する他の臨床型は知られていない。


鑑別診断

遺伝性膵炎の形態学的な特徴および検査所見は、アルコール関連慢性膵炎、熱帯性膵炎、特発性慢性膵炎などの他の原因と同様である。注目すべきことに、アルコール性膵炎はアルコール消費量の増加による膵炎のことを指す。アルコールがリスク因子となるには、通常は1日少なくとも5杯(60オンスを超えるエタノール量)が必要である。アルコールの効果は喫煙によって増強される。

喫煙は、慢性膵炎への進行における、用量依存性で独立したリスク因子である。

PRSS1関連遺伝性膵炎の鑑別診断には、家族性膵炎、特発性慢性膵炎、CFTR関連遺伝性膵炎、CTRC関連遺伝性膵炎、SPINK1関連遺伝性膵炎などがある。


臨床的マネジメント

初期診断後の評価

PRSS1関連遺伝性膵炎と診断された患者の疾患の広がりとニーズを把握するため、以下が推奨される。

病変に対する治療

PRSS1関連遺伝性膵炎の治療やマネジメントは非遺伝学的膵炎のそれと同様である。
急性膵炎の治療は、通常は疼痛管理と、進行を遅らせ膵癌などの合併症の可能性を減らすため禁煙や禁酒を行う。

膵臓の疼痛は、膵管閉塞、膵実質の圧亢進(parenchyma hypertension)、膵臓の虚血、炎症、神経障害、中枢性疼痛によって起こりうる。遺伝学的要因は、その多くが未解明で説得力のある説明はできないが、痛みの認知、耐容性、治療への反応に役割をもつと考えられている。

内視鏡的・外科的治療は仮性嚢胞、胆管/十二指腸閉塞、感染性膵壊死、悪性腫瘍のような合併症で施行する。
膵管の閉塞/石灰化は内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)のような処置で軽快する可能性があるが、ERCPでは内視鏡で総胆管や膵管にカニュレーションし、その後放射性色素を注入する。減圧や閉塞の解除により、多くの遺伝性膵炎患者で、入院回数や発作の再発回数を減らすとともに疼痛を減らせる。注:ERCP後の急性膵炎リスクのため、(狭窄部の評価のため)ブラシ擦過検体を得る場合と診断ではなく治療的介入を行う場合のみに推奨されている。

さまざまな外科的アプローチが疼痛や多発性狭窄による閉塞を起こす非癌性膵疾患に用いられているが、遺伝性膵炎患者に対する膵臓の外科手術は基盤となる炎症のプロセスを止めることはないようである。さらに、膵臓の外科手術は、しばしば膵内分泌機能に重要な膵島細胞の数を減少させる。膵切除術および自家膵島移植は遺伝性膵炎患者の将来的な選択肢となる可能性があるため、膵臓の外科手術に進む前に可能な限り多くの膵島細胞を保つことは考慮すべき重要なことである。

議論の余地はあるが、膵切除は、疼痛のコントロールがつかない患者、とくに若年成人や小児患者のQOLを改善する最後の砦として施行されてきた。膵切除が考慮される患者は専門施設への紹介が推奨される。十分な膵内分泌機能を有する患者では、膵切除時の膵島細胞の分離と自家移植が考慮されるかもしれない。注:自家膵島移植は移植した細胞が悪性である可能性があるため、長期にわたる慢性膵炎や糖尿病を患う高齢者では施行すべきでない。

疼痛は反復性および慢性炎症の合併症で、最小限から重篤で生活に支障をきたすものまで幅広い。疼痛は、炎症、虚血、膵管の閉塞、仮性嚢胞、消化不良で起こりうる。

膵外分泌機能不全では食物を消化するのに十分な消化酵素が膵臓から産生されず、消化不良がおこる。
膵外分泌機能不全の臨床症状には、脂肪便(便中の脂質)、消化不良の症状(腹部膨満、ガス、腹痛、下痢)や栄養素の欠乏(脂溶性ビタミン、アルブミン・プレアルブミン・レチナール結合蛋白の低値など蛋白不足)などがある。

膵酵素欠乏は侵襲的もしくは非侵襲的な検査によって見出すことができる。

膵酵素補充療法により、食事による疼痛、脂肪便、下痢を伴う膵機能不全患者の消化が改善する。膵酵素は、脂肪便を伴う患者、および脂肪便を伴わない患者の一部において症状を軽減するのにもっとも効果的である。

必要な膵酵素補充量は食事や膵機能の残存活性(経過とともに消失する)によって決まる。正常なリパーゼ分泌量は食事ごとに約750,000-1,000,000単位(USP)である(初期の論文ではIUが用いられている、1IU=3USP単位である)。正常な膵酵素分泌の少なくとも10%が食事の消化に必要なため、膵機能が完全に欠落した平均的な体格(70kg)の成人患者においては約70,000-80,000USP単位のリパーゼが必要である。より体格が小さい患者や膵外分泌機能が残存する患者では、症状や栄養指標をモニタリングしながら量を減らすことができる。

糖尿病はよくみられる疾患で、遺伝性膵炎では1型、2型ともに合併しうる。3c型糖尿病は、外科手術、慢性膵炎、その他まれな膵疾患による膵組織の減少によって起こる。インスリンを産生するβ細胞やグルカゴンを産生するα細胞の両方が失われ、拮抗ホルモンの減少や低血糖リスクにつながるため、3c型糖尿病は重要である。

慢性膵炎は緩徐な膵機能障害を合併する。以下は有益であるかもしれない。

一次症状の予防

遺伝性膵炎の一次症状予防は限られる。遺伝性膵炎患者(もしくはそのリスクのある者)では以下が推奨される。小児期早期に開始することで急性膵炎発作の予防に役に立つ。

定期検査

長期にわたる膵臓の慢性炎症は膵癌リスクの上昇と関連する。慢性膵炎の発症が孤発例よりも20-30年早いため、遺伝性膵炎患者は高リスクである。

早期結腸癌のサーベイランスは有用であるため、遺伝性膵炎患者で長期にわたる慢性膵炎を患う40歳以上の者や、濃厚な膵癌の家族歴を有する者では、そのようなサーベイランスは有用であると推測されている。長期にわたる慢性膵炎は膵臓の瘢痕化や線維化を起こし、異常を認めるかどうかの評価を困難にするため、そのような者に対してはバイオマーカーやその他の新技術を含んだサーベイランスプログラムを紹介する。

避けるべき薬物/環境

アルコールやタバコは原因に関わらず全ての膵炎を悪化させる。飲酒・喫煙を両方とも行った場合、膵炎を発症するリスクは8倍になる。喫煙により、遺伝性膵炎を含むすべての膵炎のリスクは2倍になる。喫煙は膵癌の早期発症にもつながる。

脱水症は急性膵炎発作を悪化させる。とくに嘔気や嘔吐、食欲不振は発作中の経口摂取を制限するため、良好な水分補給を維持することは、発作を最小化するのに有用であるかもしれない。

身体的および精神的ストレスは膵炎を悪化させる。遺伝性膵炎の家系でこれらのストレス源を避けることで症状の悪化や進行を防ぎ遅らせる可能性がある。ヨガやその他のリラックス法により膵炎患者のQOLを改善させる可能性がある。一部の患者は、ランニングのような定期的な運動が膵炎発作の減少に寄与したと申告している。

リスクのある親族の検査

PRSS1関連遺伝性膵炎のリスクのある親族に対し、早期の診断や予防、および治療が可能とするために、家族特異的な生殖細胞系列PRSS1病原性変異の分子遺伝学的検査を申し出ることを推奨する。早期発症の家系においては小児期の検査がのぞましい。遺伝カウンセリングの一環として発症前の検査が最もよく行われる。

遺伝カウンセリングとして扱われるリスクのある親族への検査に関する問題は「遺伝カウンセリング」の項を参照のこと。

研究中の治療法

現在、カルシウムチャネル拮抗薬のような化学的予防薬が遺伝性膵炎に対する治療として研究されている。
パイロット研究ではカルシウムチャネル拮抗薬のアムロジピンを評価している。しかし、この治療法はまだ推奨できない。
さまざまな疾患に関する臨床試験に関する情報はClinicalTrials.govを参照のこと。


遺伝カウンセリング

「遺伝カウンセリングは個人や家族に対して遺伝性疾患の本質,遺伝,健康上の影響などの情報を提供し,彼らが医療上あるいは個人的な決断を下すのを援助するプロセスである.以下の項目では遺伝的なリスク評価や家族の遺伝学的状況を明らかにするための家族歴の評価,遺伝学的検査について論じる.この項は個々の当事者が直面しうる個人的あるいは文化的、倫理的な問題に言及しようと意図するものではないし,遺伝専門家へのコンサルトの代用となるものでもない.」

遺伝形式

PRSS1関連遺伝性膵炎は常染色体優性遺伝性疾患である。

患者家族のリスク

発端者の両親

発端者の同胞 

同胞に対するリスクは両親の遺伝学的状況による。

発端者の子

発端者の他の家族

遺伝カウンセリングに関連した問題

早期診断・治療を目的としたリスクのある親族の検査についての情報は、「臨床的マネジメント」「リスクのある親族の検査」を参照のこと。

見かけ上de novo変異を有する家系での配慮

常染色体優性遺伝性疾患で発端者の両親ともに病原性変異や臨床症候を有さない場合、発端者はおそらくde novo変異を有するだろう。しかし、父親や母親が異なる場合(生殖補助医療など)や非公表の養子縁組のような非医学的理由も考えられる。

家族計画

DNAバンクは(主に白血球から調整した)DNAを将来利用することを想定して保存しておくものである。検査技術や遺伝子、変異、あるいは疾患に対するわれわれの理解が将来さらに進歩すると考えられるので、患者のDNA保存を考慮すべきである。

出生前診断および着床前診断

家族内でPRSS1病原性変異が判明している場合、PRSS1関連遺伝性膵炎のリスク妊娠に対する出生前診断や着床前診断を行うことは可能である。

PRSS1関連遺伝性膵炎のような)知能に影響せず、浸透率が100%未満で、治療方法がいくつか存在する疾患に対する出生前検査の要望は多くない。医療従事者や家族の間で出生前検査に関して視点の違いが存在する可能性がある。ほとんどの施設において、出生前診断に関する決定は両親の選択によるが、これらの問題に関して話し合うことがのぞましい。


更新履歴

  1. Gene Reviews著者: Sheila Solomon, MS, CGC, David C Whitcomb, MD, PhD, and Jessica LaRusch, PhD.
    日本語訳者: 和田宏来(県西総合病院小児科/筑波大学大学院小児科) 
     Gene Reviews 最終更新日:2012.3.1.日本語訳最終更新日: 2017.5.10      (in present)         

原文 PRSS1-Related Hereditary Pancreatitis

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