X連鎖無ガンマグロブリン血症
(X-Linked Agammaglobulinemia)

[Synonyms:Bruton's Agammaglobulinemia, XLA]

Gene Reviews著者: CI Edvard Smith, MD, PhD,Anna Berglöf, VMD, PhD
日本語訳者: 吉村 祐実(翻訳ボランティア),櫻井晃洋(札幌医科大学附属病院遺伝子診療科)

GeneReviews最終更新日: 2016.8.4  日本語訳最終更新日: 2022.9.3.

原文 X-Linked Agammaglobulinemia


要約

疾患の特徴 

X連鎖無ガンマグロブリン血症(XLA)は、生後2歳までの罹患男児における繰り返される細菌感染を特徴とする。反復性中耳炎は、診断前の最も一般的な感染症である。結膜炎、副鼻腔肺感染症、下痢、皮膚感染症も頻繁に見られる。XLA患者の約60%は、肺炎、膿胸、髄膜炎、敗血症、蜂巣炎、敗血症性関節炎などの重篤で生命を脅かす感染症を発症した場合に免疫不全症であると認識される。S pneumoniaeH influenzaeは、診断前に最も発見される細菌であり、診断とガンマグロブリン置換療法の開始後も副鼻腔炎と中耳炎の原因となる可能性がある。治療が困難な重度のエンテロウイルス感染症(皮膚筋炎または慢性髄膜脳炎として発現することが多い)は、ガンマグロブリン置換療法によって予防可能である。XLA患者の予後は、早期診断、正常濃度の血清IgGを達成できるガンマグロブリン製剤の開発、および抗生物質を適宜投与できた結果、最近25年間で著しく改善された。

診断・検査 

XLAの診断は、早期発症型細菌感染症、すべてのクラスの血清免疫グロブリンの著しい減少、およびB細胞(CD19 +細胞)の欠如を伴う男性で疑われる。B細胞の減少は、最も一貫性のある特徴的な機能である。アデノイドと扁桃腺は未発達であることが多く、リンパ節の大きさは小さい。B細胞を有していない母方の叔父または男性のいとこがいると、診断はほぼ確実になる。診断は、ヘミ接合性のBTK病原性バリアントを有する男性と、ヘテロ接合性のBTK病原性バリアントを有する女性で確立(または確認)される。

臨床的マネジメント 

症状に対する治療
治療の中心は細菌感染を防ぐためのガンマグロブリン補充療法(毎週の皮下注射または2〜4週間ごとの静脈内注射)である。一部の医療機関では、感染予防のため長期的に抗生物質を投与している。

二次合併症の予防:
XLAの最も一般的な二次合併症は、慢性副鼻腔炎、慢性肺疾患、炎症性腸疾患、およびエンテロウイルス感染症である。抗生物質を多用すると、慢性副鼻腔炎や肺疾患の発生率が低下させることができる。腸感染症の診断と治療によって炎症性腸疾患のリスクが減少する可能性がある。

回避すべき薬剤/環境
生ウイルスワクチン、特に経口ポリオワクチン。患者とその家族の接触者には経口ポリオ生ワクチンではなく不活化ポリオワクチンを接種する必要がある。

リスクのある血縁者の評価:
リスクのある男性の親族は出生後できるだけ早期に分子遺伝学的検査を受けることで、罹患者におけるガンマグロブリン補充療法が可能な限り早く開始できる。

遺伝カウンセリング 

XLAはX連鎖形式で遺伝する。同胞の罹患リスクは母親の保因状況による:母親がBTK病的バリアントのヘテロ接合体であれば、毎回の妊娠で遺伝する確率は50%である。病原性バリアントを受け継いだ男性は発症する。病原性バリアントを受け継いだ女児は保因者となる。男性患者の子が女児の場合は全員病原性バリアントを受け継ぎ保因者となるが、男児の場合は全員受け継がない。家族内で病原性バリアントが判明している場合、リスクのある女性親族に対する保因者診断や出生前検査を行うことは可能である。


診断

示唆的所見

以下の病歴、検査所見、および家族歴のある場合、X連鎖無ガンマグロブリン血症(XLA)を疑うべきである:

臨床検査値

免疫不全症の家族歴はX連鎖遺伝と一致する。

診断の確定

男性の発端者。XLAの診断は、示唆的な臨床所見および検査所見と、分子遺伝学的検査によって同定されたBTKのヘミ接合性病原性バリアントを有する男性発端者で確立される(表1参照)。分子遺伝学的検査には、単一遺伝子検査、複数遺伝子パネルの使用および、さらに包括的なゲノム検査が含まれる。

注:(1)BTK病的バリアントを有する患者の約3%-5%は、BTKのすべてまたは一部と密接に関連する遺伝子TIMM8A(DDPともよばれる)を含む大きな欠失を有するため、XLAおよびdeafness-dystonia-optic neuronopathy syndrome(DDON;Mohr-Tranebjærg症候群とも呼ばれる)[Richter et al 2001、Sediváet al 2007]、染色体マイクロアレイ分析(CMA)による追加の検査を要する場合がある。(2)XLAおよびDDONの臨床的特徴を有する患者の場合、最初にCMA検査を検討すること。

1.
X連鎖無ガンマグロブリン血症 (XLA)で使用される分子遺伝学的検査

遺伝子1 方法 この方法で検出可能な病的バリアント2を有する発端者の割合
BTK シークエンス解析3,4 92%
遺伝子-標的欠失/重複解析5 8%
CMA6 3%-5%7
  1. 染色体遺伝子座とタンパク質については、表A「遺伝子とデータベース」を参照のこと。
  2. 同定された遺伝子変異の分子遺伝学的情報を参照
  3. シークエンス解析では Benign、Likely benign、Uncertain significance、Likely pathogenic、Pathogenicバリアントが検出される。バリアントには遺伝子内の小さな欠失/挿入やミスセンス、ナンセンス、スプライス部位のバリアントが含まれることがある。通常、エクソンや全遺伝子の欠失/重複は検出されない。シークエンス解析の結果を解釈する際に考慮すべき事項については、こちらを参照のこと。
  4. ルーチンのシークエンス解析 で検出できないイントロン内の病的バリアントが報告されている[Kralovicova et al 2011Mohiuddin et al 2013Rattanachartnarong et al 2014]。スプライシング欠失の原因となるイントロン内の病的バリアントはターゲットシークエンス解析またはmRNAの解析で検出できる可能性がある。
  5. 欠失/重複を標的とした遺伝子解析は遺伝子内の欠失/重複が検出可能である。定量PCR法、長距離 PCR、MLPA法、単一エクソンの欠失・重複検出のために設計されたマイクロアレイなどが用いられる。標的遺伝子の欠失・重複は単一エクソンから遺伝子全体までの欠失を検出するが、広範囲の欠失または/かつ隣接遺伝子の欠失の検出は難しいだろう(「遺伝的に関連のある疾患」を参照)
  6. オリゴヌクレオチドアレイまたはSNPアレイを使用した染色体マイクロアレイ解析(CMA)。現在臨床で使用されているCMA設計は、Xq22.1領域を対象としている。
  7. BTK病的バリアントを有する患者の約3~5%(遺伝子標的化/統合解析によって検出された8%のサブセット)は、密接に関連した遺伝子TIMM8ADDPとも呼ばれる)、また、ときにTAF7LおよびDRP2を通して広がる大きな欠失を有する[Richter et al 2001, Sedivá et al 2007]。これらの複数の遺伝子欠失を有する人は、XLAおよび難聴-ジストニア-視神経障害症候群 deafness-dystonia-optic neuropathy syndrome(DDON;Mohr-Tranebjærg症候群と呼ばれる)に罹患している。

臨床的特徴

自然経過

通常、経胎盤的に獲得した母体の免疫グロブリンによって保護されているため、X連鎖無ガンマグロブリン血症(XLA)の罹患児は生後数ヶ月間は健康である。典型的には、罹患児は生後2年以内に細菌感染症を繰り返し、5歳までに免疫不全であると確認される[Ochs & Smith 1996Conley & Howard 2002Plebani et al 2002Winkelstein et al 2006]

反復性中耳炎は、XLAと診断される前の最も多い感染症である。結膜炎、副鼻腔肺感染症、下痢、皮膚感染症も高頻度に認められる。XLA患者の約60%は、肺炎、膿胸、髄膜炎、敗血症、蜂巣炎、敗血症性関節炎などの重度の生命を脅かす感染症を発症してから免疫不全症であると確認される。XLAの男性は、破傷風、インフルエンザ菌、肺炎連鎖球菌などのワクチン抗原に対する抗体を作ることができないため、後者の2種類の菌は、XLAの診断前に最も多くみられ、診断・ガンマグロブリン補充療法開始後も副鼻腔炎と中耳炎を繰り返して発症する可能性がある[Lederman & Winkelstein 1985Conley et al 2005]。

XLA患者はウイルス感染の多くに対して脆弱ではないが、重度の慢性エンテロウイルス感染症(皮膚筋炎または慢性髄膜脳炎として発現することが多い)の影響を受けやすい[Wilfert et al 1977Bearden et al 2016]。過去には、XLA患者の5%〜10%が、弱毒生経口ポリオワクチンのワクチン接種後にワクチンが原因でポリオを発症した。ガンマグロブリン補充療法が利用可能になった1980年代半ば以降、慢性エンテロウイルス感染の発生率はXLA患者で著しく減少した。しかし、一部は依然としてエンテロウイルス性脳炎を発症し、原因不明の神経学的悪化を示した患者もいる。

抗体欠乏症の患者と同様に、XLA患者はジアルジア感染症に非常に罹患しやすい。また、持続性のマイコプラズマ感染症を発症する可能性もある。FlexispiraHelicobactercinaediなどの稀な微生物による感染も治療が困難になる場合がある[Cuccherini et al 2000Simons et al 2004]。

ヘミ接合性BTK病的バリアントを有する男性の約10%は、10歳まで免疫不全であると認識されず、成人になるまで認識されない男性もいる[Howard et al 2006Conley et al 2008]。罹患男性の一部は、予測より高いIgGの血清濃度を有するが、B細胞の数は非常に少ない。

XLA患者の予後は早期診断、抗生物質の十分な使用、およびガンマグロブリン補充療法でIgGの正常な血清濃度を達成させるためのガンマグロブリン製剤の開発の結果、過去35年間で著しく改善された[Howard et al 2006]。ほとんどの人は普通の生活を送っている。しかし、適切な治療にもかかわらず、約10%が重大な感染症を発症し、多くは慢性的な肺の変化を示す[Quartier et al 1999]。

ヘテロ接合体の女性. XLAの女性患者1名について報告されている。女性の父親はXLAに罹患していて、解析で父親由来のX染色体が独占的に活性化されていることが示された[Takada et al 2004]。

遺伝型と表現型の相関

特定のBTK病的バリアントと疾患の重症度との間に強い相関関係はみられない。しかし、保存されているが不変ではない部位で発生するアミノ酸置換またはスプライシング欠損を有する患者は、診断時に高齢でIgMの血清濃度が高く、末梢循環中のB細胞がわずかに多い傾向がある[López-Granados et al 2005Broides et al 2006]。

病名
Brutonは1952年に初めて報告した本疾患を"無ガンマグロブリン血症"と呼んだ。 遺伝のX連鎖方式については、その後間もなく発表された。
1950~1970年代、本疾患はときに先天性無ガンマグロブリン血症、家族性低ガンマグロブリン血症、または小児伴性無ガンマグロブリン血症、さらに単純に無ガンマグロブリン血症と呼ばれた。

頻度
X連鎖ガンマグロブリン血症の有病率は、すべての人種・民族グループの男性100万人当り3~6人である。

遺伝子に関連した疾患
GeneReviewsで議論されている以外の遺伝子でBTKにおける病的バリアントに関連する遺伝子は不明である。
BTK病的バリアントを有する患者の約3%~5%が密接に関連するTIMM8A  (またはDDP)および、時にTAF7LおよびDRP2 にまで広がる大きな欠失を有する[Richter et al 2001Sedivá et al 2007]。これらの複数の遺伝子欠失を有する患者はXLAおよび難聴‐ジストニア‐視神経ニューロパシー症候群(DDON, Mohr-Tranebjærg 症候群ともよばれる)に罹患している可能性がある。


鑑別診断

感染症の早期発症、重度の低ガンマグロブリン血症、および著しく減少したB細胞数に基づきX連鎖無ガンマグロブリン血症(XLA)に罹患していると推定される男性の約90%は、BTKに検出可能な病的バリアントを有する [Conley et al 1998]。
(OMIMで無ガンマグロブリン血症に関連する遺伝子を閲覧するには、 こちら )
XLA様の症状を呈する女性と、特定可能なBTK病的バリアントを有しないXLAの症状を有する男性の大多数は、正常なB細胞の発達に必要な他の遺伝子に欠陥がある可能性がある(OMIMで無ガンマグロブリン血症に関連する遺伝子を閲覧するには:無ガンマグロブリン血症: OMIM Phenotypic Series を参照)

XLA様の症状を呈する女性やXLAに罹患していると推定されたがBTKに病的バリアントをもたない男性でこれらの疾患を検討するべきである。XLAの既往歴を有する血縁者がいる家系では、より稀な常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)型の無ガンマグロブリン血症に罹患する可能性が高くなる。
先天性無ガンマグロブリン血症に罹患し、B細胞が存在しない個人の約5%では、基礎疾患は不明のままである。
これらの常染色体顕性遺伝(優性遺伝)形式の無ガンマグロブリン血症は稀である。
以下のX連鎖形式の疾患を含む様々な病態では、血清免疫グロブリン濃度が低い:

ただし、これらの疾患の患者は通常、B細胞の数が比較的正常であるか数が多い。


臨床的マネジメント

初回診断後の評価

X連鎖無ガンマグロブリン血症(XLA)と診断された患者の疾患の程度とニーズを確立するため、以下の検査が推奨される:

疾患の治療

XLA罹患者は専門医のいる医療機関で専門的な治療を受けるべきである。
罹患者が急性の感染症を発症した場合、抗生物質を非罹患者に投与する期間の2倍以上投与しなければならない。不要な治療遅延を起こさないよう寛容な抗生物質の使用が推奨される。

主な症状の予防

細菌感染

ガンマグロブリン補充療法は、XLA患者の治療の中心となる。米国のほとんどの患者は4週間毎に約400mg/kgのガンマグロブリンを投与される。過去には、非常に多くの患者が2〜4週間毎にガンマグロブリンを静脈内投与されていた。過去数年間で、ガンマグロブリンを皮下注射で毎週投与される患者の割合が増加している。いずれの投与経路も、血清IgGの良好な治療濃度を提供する。医師と患者の利便性を考慮して投与経路を選択可能である[Berger 2004]。
インターフェロンは様々な製品が利用可能であるが、製品の有効性や副作用による評価での優越性は証明されていない。時に、XLA罹患者はガンマグロブリンに反応して頭痛、悪寒、背部痛や悪心を呈することがある。これらの反応は、罹患者がウイルス感染を併発している場合やガンマグロブリンの製品を変えた場合に起こることが多いが、時間経過とともに消失する可能性が高い。
医療機関によっては、細菌性感染症対策のために抗生物質を長期予防投与することがある。

二次的合併症の予防

XLA罹患児は、経口のポリオ生ワクチンではなく、不活化ポリオワクチン(IPV)を接種しなければならない。
XLA罹患児の同胞も経口ポリオ生ワクチンよりIPVを接種するべきである(生ウイルスに曝露した同胞からの感染を避けるため)。

サーベイランス

少なくとも年に1回以上:

注:慢性肺疾患は、急性肺感染症がない場合に発症する可能性がある [Quartier et al 1999]。
患者の状態が安定している場合、ガンマグロブリン投与の度に血清IgGを検査する必要はない。

回避すべき薬剤/環境

生ウイルスワクチン、特に経口ポリオワクチンをXLA患者は避けなければならない。

リスクのある血縁者の検査

ガンマグロブリン療法を迅速に開始し、生ウイルスワクチンの投与を回避できるように、リスクのある男性親族を出生後できるだけ早く診察することは適切である。検査には次のものが含まれる:

注: 母親のIgGが胎盤を通過するため、新生児や乳児に対する評価で血清免疫グロブリンの検査は有用でない。
リスクのある親族に対する遺伝カウンセリングを目的とする検査に関する問題については、「遺伝カウンセリング」の項を参照のこと。

研究中の治療

XLAの遺伝子治療に関する研究がマウスを用いて実施されているが、このタイプの治療がいつ臨床に適応されるかは不明である。
種々の疾患・症状に対する臨床試験についてはClinicalTrials.gov (米国)、EU Clinical Trials Register (欧州)を参照のこと。


遺伝カウンセリング

「遺伝カウンセリングは個人や家族に対して遺伝性疾患の本質,遺伝,健康上の影響などの情報を提供し,彼らが医療上あるいは個人的な決断を下すのを援助するプロセスである.以下の項目では遺伝的なリスク評価や家族の遺伝学的状況を明らかにするための家族歴の評価,遺伝学的検査について論じる.この項は個々の当事者が直面しうる個人的あるいは文化的、倫理的な問題に言及しようと意図するものではないし,遺伝専門家へのコンサルトの代用となるものでもない.」

遺伝形式

X連鎖無ガンマグロブリン血症はX連鎖疾患である。

家族構成員のリスク

発端者の両親

発端者の男性の父親は罹患せず、BTK 病的バリアントのヘミ接合体にもならない。したがって、発端者の父親のさらなる評価/検査は不要である。

発端者の同胞 

発端者の子

他の家族構成員

ヘテロ接合体(保因者)診断

BTK病的バリアントが発端者で同定されている場合、リスクのある女性親族の遺伝的状態を判断するための分子遺伝学的検査が最も有益である。
注:(1)このX連鎖性障害のヘテロ接合性(保因者)である女性が罹患している可能性は低い。 (2)女性のヘテロ接合体の同定には、(a)家族内のBTK病的バリアントの事前の同定、または(b)罹患男性が検査を受けられない場合、まずシークエンス解析による分子遺伝学的検査を実施し、病的バリアントを同定できない場合は遺伝子標的欠失/重複解析による検査が必要である。

遺伝カウンセリングに関連した問題

リスクのある血縁者への早期診断・治療目的の評価に関する情報については,臨床的マネジメント, リスクのある血縁者の評価の項を参照されたい。

家族計画

DNAバンキングは,将来的な使用のために,通常は白血球から抽出したDNAを保存しておくことである。検査手法や遺伝子、変異、疾患への理解は将来改善する可能性があり,患者DNAの保存は考慮されるべきである。ことに現在行っている分子遺伝学的検査の感度が100%ではない疾患に関してはDNAの保存は考慮すべきかもしれない。

出生前検査及び着床前遺伝子検査

罹患家族にBTKの病的バリアントが同定されている場合、リスクの高い妊娠の出生前検査およびX-linked 無ガンマグロブリン血症の着床前遺伝子検査が可能である。

出生前診断については、専門医の間でも家族によっても考え方が異なるだろう。たいていの医療機関では出生前診断を受けるかどうかの決定は両親の選択に委ねると考えるであろうが、この問題に関しては慎重な議論が必要である。


更新履歴:

  1. Gene Reviews著者: CI Edvard Smith, MD, PhD,Anna Berglöf, VMD, PhD
    日本語訳者: 吉村 祐実(翻訳ボランティア),櫻井晃洋(札幌医科大学附属病院遺伝子診療科)
    GeneReviews最終更新日: 2016.8.4  日本語訳最終更新日: 2022.9.3. [in present]

原文 X-Linked Agammaglobulinemia

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